2020年の国内エンタープライズインフラ市場規模は、対前年比5.4%減の6701億300万円だった。市場全体が縮小した中、シェア1位、2位のベンダーがともに売り上げを増やした。
IDC Japanは2021年6月21日、「国内エンタープライズインフラ市場シェア、2020年:SoR、SoE/SoI市場の競合分析」を発表した。エンタープライズインフラ市場は、サーバ市場と企業向けストレージシステム市場を合わせたものだ。
2020年の市場規模は、対前年比5.4%減の6701億300万円。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で低迷した。市場シェア(売上額ベース)は、トップが24.5%。2位は15.6%、3位は11.9%、4位は11.0%、5位は8.8%、6位は6.5%だった。市場全体が縮小した中、1位と2位のベンダーが金額を増やした。
システムタイプ別に市場を分析すると、SoR(System of Record:商取引や公的サービスの記録や処理を行うシステム)は対前年比10.5%減の2550億1500万円、SoE/SoI(System of Engagement:顧客エンゲージメントに関わるシステム/System of Insight:データの分析を通して洞察を得るためのシステム)は同13.0%減の788億4600万円だった。構成比は、SoRが全体の38.1%、SoE/SoIが11.8%だった。
配備モデル別では、パブリッククラウドが対前年比4.0%減の1219億5400万円、プライベートクラウドが同6.5%減の581億7100万円、オンプレミスが同5.6%減の4899億7900万円だった。市場全体では売上額が減ったが、構成比ではパブリッククラウドが上昇し、プライベートクラウドとオンプレミスが低下した。IDCでは、新型コロナウイルス感染症対策としてWeb会議やビデオ配信の需要が高まり、パブリッククラウドサービスが伸びたと見ている。
IDC Japanでエンタープライズインフラストラクチャのグループマネージャーを務める福冨里志氏は、「SoE/SoI向けエンタープライズインフラビジネスでは、AI(人工知能)やML/DL(Machine Learning/Deep Learning)関連ソリューションを活用したITインフラ製品のポートフォリオを充実させ、導入実績や導入効果を顧客に訴求することの重要性が高まっている」と分析している。
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