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CEOの給与は従業員の20倍以上? “超”有名大手企業の知られざる給与事情

所得差の拡大は世界中で問題になっている。米国大企業ではCEOと従業員の間には約2022%の賃金格差があるというから驚きだ。知りたいけど知りたくない、有名大手企業の知られざる給与事情を紹介する。

» 2022年02月15日 09時30分 公開
[Emilie ShumwayHR Dive]
HR Dive

 所得差の拡大は何十年にもわたって問題視されており、労働者によるウォール街の占拠といった運動も沸き起こった。CEO(Chief Executive Officer)と自社の従業員の給与格差は特に顕著で、格差は長年にわたって拡大している(注1)。

 米国大企業では、CEOは年間平均1億4761万円と高額収入を得ているが、所属する企業の従業員との間には約2202%の賃金格差があるというから驚きだ。

“超”有名大手企業CEOの給与事情

 2021年11月9日、転職情報サイトLensaの調査で世界各国のCEOと従業員の給与の比較結果が発表された(注2)。CEOの給与が高いのは米国、英国、ドイツの順番で、CEO間の給与格差が最も大きいのはギリシャ、英国、イタリアの順番で、米国は7位だった。

 CEOの給与格差が最も小さいのはエストニア、ポーランド、アイスランドとなった。Lensaによれば、エストニアでは、従業員の給与はCEOの平均給与の41%を占めた。

 経済政策研究所のEconomic Policy Instituteの特別フェロー、ローレンス・ミシェル氏へのCNBCのインタビューによれば、格差の拡大は企業間の競争が原因だという(注3)。「CEOは平均以上の報酬を受けるべきだ」と信じられており、「この慣習は1990年代に浸透した」とミシェル氏は語った。批判にもかかわらず、CEOと労働者間の賃金格差は変わる様子はない(注4)。

 Lensaの調査では、ブライアン・ロバーツ氏(Comcast)の報酬額は344万ドル、ティム・クック氏(Apple)の報酬額300万ドルといった、高収入なCEOがいた。また、Coca-ColaとStarbucksは、CEOと他の従業員の間で特に大きな賃金格差があった。Coca-ColaのCEO、ジェームズ・クインシー氏が160万ドルの報酬を得る一方で、従業員の給与の中央値は1万1342ドルだった。

 TeslaのCEO、イーロン・マスク氏と従業員の賃金格差は小さく、Teslaの平均的な労働者よりも賃金が低かった。しかし、同氏の報酬は基本給が総賃金のごく一部にすぎない。2020年のLensaの発表で、マスク氏は主に「会社の業績が特定のベンチマークに達した場合のストックオプションと報酬」を通じて「驚異的な66.6億ドル相当の報酬」を受け取ったと述べている。

 最近のCEOの給与の上昇に対して株主からも反発がある。The Wall Street Journalの4月の報告では、2020年9月に有権者投票を行った6社のうち1社が、株主から出された賃金一括提案に対する支持を70%未満しか受けなかった。この数字は前年の12社に1社から下落している。

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