コロナ禍のテレワークシフトでコミュニケーション手段のイノベーションが進んだ。そんな中、電話によるコミュニケーションもデジタル化が進み始めている。電話業務を自動化や効率化する「電話DX」を紹介する。
「電話DX」とは、SaaS(Software as a Service)を利用して電話業務を自動化や効率化し、普段の業務オペレーションへの集中や対応工数削減を目指す取り組みだ。
電話DXサービス「IVRy」を例とすると、主なサービス内容は電話自動応答(IVRシステム)で、自動応答の分岐を自由に設定、電話履歴の確認、録音再生確認、電話帳管理などの豊富な機能を利用できる。営業電話やお客さまからの問い合わせ、注文、予約などのさまざまなシーンで利用可能だ。
IVRyは、顧客からの電話に対して自動応答やSMS(ショートメッセージサービス)返信、電話の転送などで対応ができる。
FAQページで自己解決できるような相談や問い合わせであればSMSでURLリンクを返信したり、人による支援が必要な状況であればスムーズにカスタマーサポート窓口につないだりすることもできる。
また、管理画面で顧客の状況を見える化して業務で利用することでカスタマーサービスの質を向上でき、電話窓口でも対面のような問い合わせの体験を提供できる。
外部サービスのCXプラットフォーム「KARTE」との連携も可能だ。KARTEは、サイトやアプリの訪問者の行動や感情をリアルタイムに解析し、一人一人に合わせたユーザー体験の提供を可能にする。
電話番号および顧客固有の認証コード(お客さま番号)を任意のページにポップアップ表示させ、電話自動応答においてその認証コードを顧客が入力することで、顧客の過去および現在の行動データにあわせた電話によるコミュニケーションもできる。また、コミュニケーション自体も行動データとして蓄積や活用をできる。
IVRy導入企業である新原製茶代表の新原 光太郎氏は以下のように語る。
「コロナ禍の影響でオフライン店舗の売上が下がり、ECを活用したオンラインでの接客や集客に挑戦してみましたが、なかなか成果につながりませんでした。そこでデジタルに明るくない弊社の60代スタッフでも使える既存の電話というチャネルを生かした取り組みをしたいと考え導入しました。結果、折り込みチラシとの掛け合わせで非常に順調な売上成長を実現でき、改めてお客さまのデータをしっかり活用することの必要性にも気付きました」(新原氏)
IVRyは今後、業務で必要不可欠でありながらイノベーションが進んでいないコミュニケーション手段である「電話」を再定義し、あらゆるビジネスを対象としたデータ活用による顧客体験の向上と業務効率化を推進するという。
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