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» 2022年04月11日 07時00分 公開

「もう辞めたい……」がまる分かり? モチベーション管理システムでできる4つのこと

対面機会が減った現在、従業員の働きぶりとともにコンディションやメンタリティーの状態が見えにくくなった。どうやれば従業員の心の変容を読み取れるのか。

[土肥正弘,ドキュメント工房]

 コロナ禍で直接顔を突き合わせる機会が著しく減少したことで、従業員のメンタリティーを把握することが困難になった。メンタルの状態は何気ない日常の会話や行動、表情に表れやすいが、テレワークなどオフィス外の勤務では顔色や表情を確認しようにも、Web会議などディスプレイ越しでは顔色は不鮮明で、時に加工され、声色も正確には再現されにくい。

 また、働き方の多様化によって低下が懸念されているのが「ロイヤリティー(仕事や組織への忠誠度)」「コミットメント(求められることへの責任感)」「エンゲージメント(組織と個人の心的関連性)」、そして「モチベーション(内発的な意欲)」だ。

 これらを計測することは難しく、事業活動の成績や勤怠状況から類推したり、上司や同僚からのヒアリングや本人との会話によって探ったりすることしかできなかった。しかし「心理的安全性」がチームの生産性に与える好影響が学問的な調査で明らかになったことから、多くの企業が従業員の心の状態の把握、分析に取り組むようになった。これはコロナ禍以前からのトレンドだったが、テレワークが浸透して以降、さらに関心が高まった。それを支援するツールの一つが、「モチベーション管理システム」だ。

「モチベーション管理」に投資する本質的なメリットは?

 従業員の心の状態やコンディションを把握、可視化するには、何も判断材料がない状態では難しい。従業員へのサーベイやアンケートなどで効率的かつ短期間でコンディション調査が行え、離職リスクやモチベーション低下といった問題発見のサイクルを効率的に回すことができるのがモチベーション管理ツールの主たるメリットだ。

 期待できる一番の効果は、定量化されたデータを基にした議論が可能になることだ。数値化されたデータにより過去と現在の心の状態が客観的に評価でき、問題点の発見や、配置転換や職務転換の判断材料としても生かせられる。経営と同じく、人事部門でもデータドリブンの課題解決が可能になる。また、働き方の多様化によって引き起こされるメンタリティの悪化や満足度低下に対して先回りで対策を打つことで、離職率の改善や個人とチーム、組織の生産性向上が期待できる。

 ただし、モチベーション管理ツールは導入してすぐに効果が得られるものではなく、まずは従業員へのアンケートや調査を重ね、データを蓄積していくことが必要になる。対策が必要だと思われる従業員とコミュニケーションを取り、状況によっては人事部門と現場のマネジメント層とで話し合い、配置転換なども考えなければならない。得られたデータを基にこうしたサイクルを回していくことで徐々に効果が見え始めてくるため、少なくとも数カ月〜1年のスパンで様子を見ていくことが必要になる。

 そこで重要なのが中長期的な運用施策だ。中には「仕事が多忙でアンケートに答える暇がない」「面倒だ」と感じる従業員もいる。また、アンケートの回答率は良くても適当な回答ばかりで、分析に使えないデータが集まっても意味がない。従業員の実態を正確に把握するためには、従業員の負担にならない頻度でかつ回答しやすいアンケート設計にしなければならない。

コラム:「面倒くさいアンケート」にしないためには?

 入社したての従業員や離職者の高い部署では毎月、その他の部署、従業員には四半期に一度など、部署や階層別に調査頻度を変えたり、アンケートの目的を理解してもらうために社内のポータルサイトで取り組みを告知したり、フリーコメントで寄せられたコメントを匿名で例示したり、職場の環境改善例を紹介したりと、側方支援的な施策を採りながら従業員の理解を深めるとともに、施策の社内浸透を進めるのも一つの策だ。

 アンケートの回答率が低い場合は、社内コミュニケーションツールでリマインドする、回答したら部署ごとに報告を挙げる、通知するメール件名に「本日回答必須」などを入れておく、などの策を講じると良いだろう。また、フリーコメント欄には、「新入社員の時のエピソード」「サンクスカード(○○さんあの時ありがとうなど)」「お客さまとの思い出」など、従業員が回答しやすい項目を設定しておくといいだろう。

どうすれば従業員の「本当の気持ち」を引き出せるのか?

 組織や上司が踏み込めない従業員の心の領域に一歩踏み込むことで、メンタルヘルスの改善や組織からの離脱、離職の防止、モチベーション向上による業務実績の向上などが期待でき、その結果、チームや組織全体の生産性向上に寄与する。こうした循環を作るための施策として、国が主導して2015年12月にストレスチェックを義務化した。

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