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企業が今「週休3日制」を導入すべき理由

パンデミックを経て、週休3日制に対する社会の関心は高まっている。アンケートの結果から、“今がまさに週休3日制を導入するべきタイミング”だということが明らかになる。

» 2022年06月01日 07時00分 公開
[Emilie ShumwayHR Dive]
HR Dive

 アンケート調査ツールを提供するQualtricsのEXアドバイザリーサービス責任者ベンジャミン・グレンジャー氏は、週休3日制に対する世の中の期待感について、以下のように述べる。

 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)がまん延した際、労働者は一晩で会社がテレワークに踏み切ったのを見て、新たな考えを持つようになった。『家からうまくやっていたのに、なぜオフィスで仕事をしなければならないのか?』『なぜ週5日間の労働が必要なのか、他にできることはないのか?』……などだ」(グレンジャー氏)

 パンデミック以前に週休3日制を実験的に導入した企業は少数だったが、世の中の関心はここ2、3年で爆発的に高まっている(注1)。人材確保の難しさを考慮して、職場をより魅力的でストレスの少ないものにしようという雇用主の関心も高まっている(注2)。

今「週休3日制」を導入すべき理由

 Qualtricsが1021人の労働者を対象に実施した調査によると、週休3日制は労働者のストレスを軽減する選択肢として支持されていることが明らかになった(注3)。

 回答者の92%が「雇用主が週休3日制に移行することを望んでいる」と答え、88%が「ワークライフバランスを改善する」と答えた。また、82%が「生産性が高まる」、79%が「精神衛生を向上させる」と答えて、週休3日制の導入は「その会社に長く勤めたいと思う理由の第1位」となっている。

 また、74%が「4日間で全ての仕事を終えられる」と回答した一方で、ほぼ同数が「より長い時間働く必要がある」と回答した。また、「好きなときに働ける柔軟性」と「週休3日制」のどちらかを選ぶかという質問に対して、「週休3日制」を選んだ人は47%だったのに対し、「柔軟性」を選んだ人が50%と若干多かった。

 また、技術系労働者は他の労働者よりも週休3日制を支持しており、89%が「雇用主への忠誠心が高まる」と答え、88%が「より生産的になる」と回答した。グレンジャー氏は、「技術系労働者の柔軟な勤務形態に対する企業への期待は、他の産業よりも高い傾向にある」と推測し、技術系労働者を獲得するための競争の激しさを指摘している(注4)。

 一方、週休3日制に対して労働者はいくつか懸念を抱いており、半数近くが「売上や収益に悪影響を与える」、55%が「顧客に不満を抱かせる」と回答した。

 「週休3日制を検討している企業にとって機は熟している」とグレンジャー氏は言う。

 「週休3日制を検討しているなら、もっと研究を重ね、試験的に導入し、従業員と一緒にトレードオフの関係を探る必要がある。私たちは一晩で多くのことが一変するのを見てきたため、従業員は雇用主に対してより大きな期待を持っている。雇用主は古いやり方を捨てようとしているなら、今こそ真剣に準備を始める時だ」(グレンジャー氏)

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