ビジネス特化型匿名SNSを提供するBlindは2022年3月、約7000人を対象に転職状況に関する調査を実施した。その結果、有名テクノロジー企業の95%のエンジニアが転職を検討している状況が明らかになった。
ビジネス特化型匿名SNSを提供するBlindは2022年3月上旬、6802人の専門職の従業員を対象に転職に関する調査を実施した。本調査によると、従業員は“単に退職をちらつかせる”だけでなく、半数以上(57%)が「過去1カ月以内に別の仕事に応募した」と答えた。また、約4分の3(74%)が「過去1カ月以内に採用担当者と話をした」と答え、半数近くの49%が「過去1カ月に別の会社の面接を受けた」と回答した。
また、同社の調査から、エンジニアの95%が転職を検討中の有名テック企業や、85%以上が退職を検討している世界的大企業5社が明らかになる。
本調査を実施したBlindは、ユーザーが匿名で会社をレビューしたり、仕事の経験について話し合ったりできる、ビジネス特化型匿名SNSだ。仕事に対する満足度の低い労働者ほどBlindの調査に回答する可能性が高いと思うかもしれないが「必ずしもそうではない」と、Blindのディレクター兼広報責任者であるのリック・チェン氏はHR Diveに語った。
2022年4月にBlendが発表した別の調査では、回答者の70%が「職場の出来事をより身近に感じるためにBlindを利用した」と答えていることを紹介した。「人事部の意思決定者や経営陣、上級管理職などを含むトップ企業の数千人の従業員が、主に実用的な洞察を得るためにBlindを使っている」とチェン氏は説明する。この他、「内定を受ける前に会社を評価する」「キャリアに関するアドバイスを収集する」といった使い方も上位に挙がっている。
「大退職時代」(Great Resignation)が始まって以来、従業員が退職する主な理由を巡って論争が続いている。アナリストは、キャリア形成に積極的な労働者の退職の理由として「より良い報酬や福利厚生」を挙げるに対し、「燃え尽き症候群や有害な文化の影響」を指摘する人もいる。従業員の業種や経験によってはその両方が作用しているように見える(注1)。しかし、技術系従業員の「今の仕事を続けられる方法」の自由回答では、圧倒的に「報酬の向上」(55%)を挙げた人が多かった。次に多い回答である「テレワーク」は、8%の回答者が選んだにすぎない。
「自由回答の内容は最近発表されたオフィス復帰計画と現在の競争の激しい人材市場に対する反応と思われる」とチェン氏はHR Diveに語っている。この結果は、同じく大手ハイテク企業であるGoogle従業員の最近のフィードバックと一致している。
調査結果を報告した2022年3月10日のBlindのブログ記事によれば、技術系社員の80%が2022年初旬に「別の職を探すことを検討」していたという。転職を考えている従業員の割合が最も高かったのはBetter.comとPayPalで、これらの企業の回答者の95%が「転職を考えている」と答えている。また、DeloitteやAmerican Express、Goldman Sachs、JPMorgan Chase & Co.およびCapital Oneでは、85%以上の回答者が退職を検討していると回答した(注2)。
多くの技術系の従業員が、より良い報酬や福利厚生を得るために転職を試みている可能性がある。「現在の職務を継続させるために『会社が何もできない』と答えたのは、わずか9%だった」とチェン氏は言う。「これは、私たちのコミュニティーの圧倒的多数が、人員削減から救い出され、現在の職務にそれなりに満足していることを示していると解釈している」(チェン氏)。
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