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» 2022年07月13日 09時00分 公開

鈴廣かまぼこ、AI OCRで「1日数万件の伝票仕分けをゼロ」の舞台裏で数々の試練

AI OCRを導入したものの、その運用に課題を抱えていた鈴廣蒲鉾本店。識字率や運用フローを改善する工夫によって、受注配送業務を大幅に効率化させた。どのようなブレークスルーがあったのか。

[元廣妙子,キーマンズネット]

 DX(デジタルトランスフォーメーション)推進の機運が高まる中、その第一歩となるのがアナログデータのデジタル化だ。

 鈴廣蒲鉾本店は、紙の伝票や注文書を用いた受注配送業務が煩雑という課題を抱えていた。伝票は1日に多いときで数万件に上り、従業員が夜な夜なその処理に追われていたという。紙の情報をAI OCRでデータ化することで業務プロセスを効率化できないか――。こう考えた同社だが、AI OCRは識字率が100%ではないために読み取り結果の確認に時間を取られ、接客に影響するなど壁に当たったという。

 プロジェクトはつまずいたかに見えたが、同社は創意工夫を重ねて、AI OCRの識字率や運用方法を改善し、受注配送業務の効率化に成功した。今では、デジタル化した顧客データを販促活動にも活用して、新たな価値創出につなげているという。どのような工夫があったのか。

大量の受注配達業務に疲弊し、タブレットを導入するもプロジェクトは頓挫

鈴廣蒲鉾本店 志村明規氏

 鈴廣蒲鉾本店は、蒲鉾の製造や販売で知られる鈴廣グループ全体の管理部門としての役割を担う企業だ。志村明規氏(経営管理チーム 業務改革部 部長)が所属する業務改革部はシステム開発課と改革推進課、施設技術課で構成され、グループ全体の業務改革に一気通貫で取り組んでいる。

 志村氏は、鈴廣グループがかねてより商品の受注配達業務の煩雑さに課題を感じていたと説明する。

 「これまではご来店いただいたお客さまに配送伝票を記入いただき、商品の精算後、販売員が注文内容を指示書に転記していました。配送伝票と指示書は本社に横持ちし、指示書を見ながら注文の内容を基幹システムに入力。入力が済んだ指示書は配送伝票と一緒に日付ごとに分けて保管します。その配送伝票をさらに製造部で仕分けし、ピッキングと検品を経て商品を発送していました」(志村氏)

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