テレワークからオフィスワークへ戻ることを望む企業が目立つ。働き方を安定させ、従業員との関係を改善するためには何をすればよいのだろうか。
Resume Builderが2022年9月26日に発表した調査レポート(注1)によると、9割の米国企業が「2023年に少なくとも週の半分はオフィスに戻ることを義務付ける」と回答した。さらに5分の1の企業は、「オフィスに戻らない従業員を解雇する」と回答している。
これではもめるばかりだ。どうすればよいのだろうか。
現在ハイブリッド勤務制度を導入している企業の77%が、今後1年間で制度を変更するとResume Builderの調査に回答した。オフィスでのフルタイム勤務を義務付けると答えたのは5分の1以下だったが、40%が週4日、31%が週3日出勤を義務付けると答えた。
注目すべき点は、調査対象企業の4分の3近くが、将来もテレワーカーを採用する意向があると回答していることだ。企業の態度が揺れている。
米国では景気後退が予測される中で、オフィスに戻るかどうかは従業員と雇用者の間で依然として重要な争点になっている。例えば大手自動車メーカーのGeneral Motorsは2022年9月23日、従業員がオフィスに戻ることを義務付けると発表した。だが、Consumer News and Business Channel(CNBC)の報道(注2)によれば、「従業員からの反発を受け、同9月27日までに決定を延期して方針を明確にする」という。
また、同9月26日に発表されたMonster Surveysの調査結果では、調査対象となった従業員の40%(注3)が、週に1日でもオフィスに戻ることを強制されたら辞めると回答している。
キャリアストラテジストで求職コーチでもあるステイシー・ハラー氏は、ResumeLabのブログ記事で次のように述べている。
「世代間の問題もあると思う。年配の管理職はテレワークのチームと働くことに慣れておらず、職場文化について偏見や時代遅れの考えを持っている。オフィスに戻るかどうかという決定が、テレワークに慣れている若い管理職の手に委ねられたとき、オフィス文化に戻る企業は少なくなると思う」
従業員にオフィスへ戻ることをを求める雇用主は、「『パンデミック発生以来続けてきた仕事を信用されていない』と従業員に感じさせかねない」、このようにHR Diveに語った専門家(注4)もいるほどだ。従業員はオフィスに戻る決定に反発して、悲惨なケースでは退職してしまう。
雇用主はテレワークによる企業文化の喪失を懸念して、特にオフィスでの経験を望む若い従業員(注5)の確保について心配するかもしれない。
「『オフィスに戻るかどうか、これで解決したい問題は何なのか』と雇用主は自問自答する必要がある」、このように語る関係者もいる。Myers-Briggsの別の報告書(注6)では、雇用主は従業員一人一人に対して勤務形態について「何を望んでいるのか」を尋ねるべきだと結論付けた。
出典:Report: 9 in 10 companies will require return to office by 2023(HR Dive)
注1:9 in 10 companies will require employees to work from office in 2023
注2:GM delays return-to-office mandate after employee backlash
注3:Monster: Two-thirds of workers would quit if forced to return to the office five days a week(HR Dive)
注4:What’s wrong with ‘come into the office to collaborate’?(HR Dive)
注5:‘The Home Alone effect’: Workers increasingly amenable to office returns, study shows(HR Dive)
注6:‘Ask your employees’: Myers-Briggs says employers should personalize return-to-office plans(HR Dive)
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