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「職場に戻るなら辞める」が多数派 テレワークを続けたい従業員とオフィス回帰を望む会社

日本国内でも徐々にオンラインからオフラインへと戻る動きが見られるが、テレワークのメリットを知った従業員はオフィス回帰を強く拒んでいるという。

» 2022年10月20日 07時00分 公開
[Emilie ShumwayHR Dive]
HR Dive

 キャリアサイトMonster.comを運営するMonster Worldwide(以下、Monster)が2022年9月に実施した調査(調査対象者の54%はテレワークで勤務)では、回答者の3分の2が「オフィスに戻って働くことを求められたら会社を辞める」と答え、40%が「週に1日でも出社を要請されたら退社を検討する」と回答した。また、調査対象の1806人のうち約4分の1が「PTO(Paid Time Off:有給休暇)や昼休みなど、ベネフィットが減ったとしてもオフィスに戻りたくない」と答え、オフィスワークを拒む声が挙がった。

ハイブリッドワークは“ちょっとした地獄”

 労働者にとってテレワークで得られる利点は多い。Monsterの調査では、回答者の4分の3が「テレワークがなくなれば洗濯物を取り組むなどのちょっとした雑用ができなくなる」と回答した。また、meQuilibriumを運営するソフトウェア企業New Life Solutionが実施した調査(注1)では、テレワーカーとハイブリッドワーカーは心理的安全性を感じていることが分かった。一方、オフィスワーカーは、オフィスで働いていると「ミスを指摘される」「人と違うと否定される」と感じる傾向にあるという。

 この2年間でテレワークが普及し(注2)、現在はハイブリッドワークの導入が組織の課題となるが、組織だけでなく従業員もフルタイムのオフィスワークよりもハイブリッドワークを望んでいるようだ(注3)。Monsterの調査結果では、依然としてテレワークを望むワーカーが多いものの、その差は少ないという。

 テクノロジー業界では、フルタイムでのテレワークを許可する企業もある。口コミサイトを運営するYelpのジェレミー・ストッペルマンCEO(最高経営責任者)は2022年6月に『The Washington Post』(注4)で「ハイブリッドワークは“ちょっとした地獄”だ」と述べた(注5)。そして、2022年7月にYelpのCPO(最高人事責任者)であるカルメン・オア氏は「リモート環境でもチームの生産性は落ちず、従業員の満足度も高く保たれる」と意見した(注6)。

 だが、企業は着々とハイブリッドワークへの移行を進めているようだ。ハイブリッドワークには「従業員自身が柔軟に働き方を選択できる」(注7)という明確なメリットがある。次のフェーズでは、それに加えて従業員への期待値を明確にすること(注8)、従業員がテレワークというオプションを選択してもペナルティーを受けないことがハードルになるだろう(注9)。

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