2023年のセキュリティ予算は増額か、減額か?
2023年のサイバーセキュリティ予算がどうなるのか。現在、議論が進んでいるところだ。セキュリティベンダーはどのように考えているのか。CrowdStrikeのCEOに聞いた。
「『2023年は予算が削減される』と相談に来た顧客はいない」
こう語るのはCrowdStrikeのジョージ・カーツ氏(CEO、共同設立者)だ。
中堅・中小企業は予算をどう考えているのか
2022年11月29日に開催されたCrowdStrikeの2023年度第3四半期決算説明会(注1)では、「2023年に向けて企業各社がサイバーセキュリティの予算を削減することはない。もし削減するとしても、そのような話は聞いていない」と語った。
ただし予算執行に遅延はあるようだ。小規模企業との取引が遅れており、2022年10月31日に終了した2022年度第3四半期では、取引完了までの平均時間が11%増加したとカーツ氏は述べる。
「第3四半期においては景気後退の懸念が高まるにつれて、このような遅延がより顕著になった」
「Cybersecurity Dive」の見立てでは、ほぼ全ての業界や企業で景気の先行きが不透明だ。にもかかわらず、カーツ氏は、コンプライアンス要件の厳格化やサイバー犯罪の増加により、サイバーセキュリティへの支出が増加し続けるだろうと述べた。
「サイバーセキュリティ市場はマクロ経済の圧力と無縁ではない。だがセキュリティ技術は必要不可欠だ。サイバー犯罪者は行動を止めないからだ」(カーツ氏)
小規模な企業との取引は確かに遅延しているが、なくなったわけではない。CrowdStrikeの幹部は、中堅・中小企業が2023年まで取引を推進し続けることを期待していると述べた。
JumpCloudが2022年11月に発表したレポートによると、IT支出は堅調に推移すると予想される。ただし、企業がサイバーセキュリティへの投資を拡大するかどうかについては、中堅・中小企業の間で意見が分かれている(注2)。
カーツ氏によれば、企業はより少ないベンダーに集約し、資金負担を分散するために、より多面的な取引を求めている。
「費用を使うのであれば、より少ないベンダーで、より良い結果を得たいと企業は考えている」(カーツ氏)
CroudStrikeの実績はどうだったのか
CrowdStrikeは2023年度第3四半期に米国会計基準(GAAP)において5500万ドルの純損失を計上した(注3)。純損失の額は2022年度同四半期比で9%増えている。なお、売上高は2022年度同期比53%増の約5億8100万ドルに急増した。
CrowdStrikeの総売上高のうち、サブスクリプションベースの収入が94%を占める。第3四半期末のサブスクリプション顧客数は2万1000社を超え、2022年度同期比で44%増加した。
出典:CrowdStrike CEO: SMB deals delayed as enterprises hold firm on cyber spend(Cybersecurity Dive)
注1:CrowdStrike Holdings, Inc. (CRWD) Q3 2023 Earnings Call Transcript
注2:SMB cyber budgets under pressure amid slowing economy(Cybersecurity Dive)
注3:CrowdStrike Reports Third Quarter Fiscal Year 2023 Financial Results
© Industry Dive. All rights reserved.
Cybersecurity Dive
米国でビジネスジャーナリズムに特化した記事を掲載するIndustry Diveの、セキュリティ系連載「Cybersecurity Dive」の記事一覧です。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
キーマンズネットに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Claude」3倍高速化の裏で、Anthropic開発者が「あえてしなかったこと」:899th Lap
-
2
山梨県が「自治体ごとに違う」をなくす 県と全27市町村で電子契約を共通化
-
3
Javaアプレットは、なぜ今も情シスを悩ませる? 残った業務システムの“延命”問題
-
4
AIエージェントでサイバー攻撃は100倍速に 2026年最新事例から見る防御策とは
-
5
マネーフォワード、2800人の情報をNotionに集約 「AIに聞けば分かる」環境へ
-
6
ロッテ、「経費の全件チェック」をやめて処理を50%削減 プロセスを担当者に聞いた
-
7
自治体、企業で進む「Google回帰」 事例で分かる「Gemini Notebook」の活用アイデア
-
8
CodexやClaude Codeが作ったアプリ、実は「未完成」かも 本当に「完成」させる“5つの条件”
-
9
PostgreSQLより1.81倍高速? 開発者がSQLの実行を小型AIに丸投げしてみた結果:898th Lap
-
10
6つの条件から見るCopilot、Claude、IBM Bob、組織に適した生成AIの選定ポイント
キーマンズネット SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
キーマンズネットをフォロー