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2023年のセキュリティ予算は増額か、減額か?

2023年のサイバーセキュリティ予算がどうなるのか。現在、議論が進んでいるところだ。セキュリティベンダーはどのように考えているのか。CrowdStrikeのCEOに聞いた。

» 2022年12月27日 07時08分 公開
[Matt KapkoCybersecurity Dive]
Cybersecurity Dive

 「『2023年は予算が削減される』と相談に来た顧客はいない」

 こう語るのはCrowdStrikeのジョージ・カーツ氏(CEO、共同設立者)だ。

中堅・中小企業は予算をどう考えているのか

 2022年11月29日に開催されたCrowdStrikeの2023年度第3四半期決算説明会(注1)では、「2023年に向けて企業各社がサイバーセキュリティの予算を削減することはない。もし削減するとしても、そのような話は聞いていない」と語った。

 ただし予算執行に遅延はあるようだ。小規模企業との取引が遅れており、2022年10月31日に終了した2022年度第3四半期では、取引完了までの平均時間が11%増加したとカーツ氏は述べる。

 「第3四半期においては景気後退の懸念が高まるにつれて、このような遅延がより顕著になった」

 「Cybersecurity Dive」の見立てでは、ほぼ全ての業界や企業で景気の先行きが不透明だ。にもかかわらず、カーツ氏は、コンプライアンス要件の厳格化やサイバー犯罪の増加により、サイバーセキュリティへの支出が増加し続けるだろうと述べた。

 「サイバーセキュリティ市場はマクロ経済の圧力と無縁ではない。だがセキュリティ技術は必要不可欠だ。サイバー犯罪者は行動を止めないからだ」(カーツ氏)

 小規模な企業との取引は確かに遅延しているが、なくなったわけではない。CrowdStrikeの幹部は、中堅・中小企業が2023年まで取引を推進し続けることを期待していると述べた。

 JumpCloudが2022年11月に発表したレポートによると、IT支出は堅調に推移すると予想される。ただし、企業がサイバーセキュリティへの投資を拡大するかどうかについては、中堅・中小企業の間で意見が分かれている(注2)。

 カーツ氏によれば、企業はより少ないベンダーに集約し、資金負担を分散するために、より多面的な取引を求めている。

 「費用を使うのであれば、より少ないベンダーで、より良い結果を得たいと企業は考えている」(カーツ氏)

CroudStrikeの実績はどうだったのか

 CrowdStrikeは2023年度第3四半期に米国会計基準(GAAP)において5500万ドルの純損失を計上した(注3)。純損失の額は2022年度同四半期比で9%増えている。なお、売上高は2022年度同期比53%増の約5億8100万ドルに急増した。

 CrowdStrikeの総売上高のうち、サブスクリプションベースの収入が94%を占める。第3四半期末のサブスクリプション顧客数は2万1000社を超え、2022年度同期比で44%増加した。

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