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» 2023年03月10日 07時00分 公開

次世代バッテリーを超越か? 進化版「リチウム空気電池」の威力:701st Lap

次世代バッテリー「リチウム空気電池」は高い性能を持ち、大きな期待が寄せられている。一方で、不安な面もあり……。

[キーマンズネット]

 スマートフォンやPCをはじめ、われわれは生活の多くでバッテリーの恩恵を受けている。現在、主力のバッテリー(二次電池)といえば「リチウムイオン電池」だ。長い歴史を持つ技術で、性能は年々向上している。

 そして、現在、次世代のバッテリーとして大きな期待が寄せられているのが「リチウム空気電池」だ。だが、エネルギー効率という点で大きな弱点がある。それを克服した「進化版リチウム空気電池」ともいえる新たな技術が爆誕した。

 リチウム空気電池は、負極の金属リチウムが有機電解液を移動して正極の酸素と結合することで過酸化リチウムまたは超酸化リチウムが生成され、その化学反応によって電力エネルギーを生み出す。外気から取り入れた酸素を利用することから、リチウム空気電池と呼ばれる。

 リチウム空気電池はリチウムイオン電池よりも大容量のバッテリーを生成できると期待されており、大きなエネルギー出力が期待できる。電気自動車や携帯電子機器、航空機などにとって期待の星と目されるバッテリー技術だ。

 ところが、リチウム空気電池はエネルギー効率が低く、そこが大きな弱点であった。充電時と放電時にエネルギーの多くを熱として費やし、そのバッテリー性能を劣化させてしまうため、製品サイクル寿命が短くなってしまう。またリチウム空気電池は、正極に必要な酸素を取り込むため、酸素を効率よく供給、排出する特殊装置が必要となる。期待のルーキーだが、メリットとともにデメリットも大きい。

 その点に目を向け、米国エネルギー省の傘下にあるアルゴンヌ国立研究所の研究チームは、2023年2月22日にリチウム空気電池の新たな技術を発表した。

 発表によると、リチウム空気電池に使われる有機電解液を固体電解質に変更するという。固体電解質は比較的安価な「ナノ粒子形態」の元素から作られる「セラミックポリマー材料」で、発表リリースでは細かく説明されてはいないが、安定した科学反応を可能にする。これまで酸素分子1つ当たり1〜2個の電子しか保存できなかったリチウム空気電池が、最大4つの電子を保持できるようになるという。

 「次世代といってもたった2倍じゃないか」と思うかもしれないが、最大4つの電子を蓄えられる仕様は、世界中の研究チームが開発を手掛けるリチウム空気電池において初めての快挙なのだ。周囲の空気から酸素を取り入れる際も、特殊な酸素ボンベやろ過装置などを必要としない。

 さらには、固体電解質にはリチウムイオン電池でも使われている液体電解質にある発熱や発火といった安全上のリスクもほとんどなく、4倍のエネルギー密度が得られる、つまり、効率のよいバッテリーができると研究チームは主張する。

 従来のリチウムイオン電池と容量は同等でバッテリーのサイズを縮小したり、逆にバッテリーのサイズは同等のままで、容量を増やしたりすることも可能になる。今回の新技術が、世界のバッテリー事情を大きく変革させるかもしれない。楽しみにしたいものだ。


上司X

上司X: 「リチウム空気電池」について、新技術が生み出されて実現化に大きく弾みがついた、という話だよ。


ブラックピット

ブラックピット: いやー、そもそもリチウム空気電池について存じ上げなかった次第ですよ。


上司X

上司X: 一般的には、最先端の技術ついては疎いもんだよ。


ブラックピット

ブラックピット: 実際に使っていれば学ぶこともあるんでしょうけど、さすがの僕もリチウムイオン電池ぐらいは知ってますって。


上司X

上司X: まあ、知らない人は知らないと思うよ。でもそれでいいんだよ。技術を知らなくても便利な最先端技術を使える。スマホを使っている人のどれぐらいが、その中にリチウムイオン電池が使われていると自覚しているか、って話よ。


ブラックピット

ブラックピット: なるほど。新技術が導入されれば、多くの人が恩恵を受けると。


上司X

上司X: まあそういうことだ。ケータイやスマホのバッテリーがたとえ今回話題になったリチウム空気電池になったとして、それまでのリチウムイオン電池と何が違うかはなかなか分からんものだよ。


ブラックピット

ブラックピット: それでも研究者の皆さんは日々研さんを続けているんですね。頭が上がらないですよ!


上司X

上司X: 別にキミが敬服しようともしなくても、研究者たちは日々研究を重ねているわけだから気にしなくていいと思うよ(笑)。俺たちが感じるのは「あ、電池が長持ちする」ぐらいなところよ。そのときは改めて研究者たち先駆者に心から感謝すればいいのさ。自分の知らない技術には日々感謝を忘れずにな。

川柳

ブラックピット(本名非公開)

ブラックピット

年齢:36歳(独身)
所属:某企業SE(入社6年目)

昔レーサーに憧れ、夢見ていたが断念した経歴を持つ(中学生の時にゲームセンターのレーシングゲームで全国1位を取り、なんとなく自分ならイケる気がしてしまった)。愛車は黒のスカイライン。憧れはGTR。車とF1観戦が趣味。笑いはもっぱらシュールなネタが好き。

上司X(本名なぜか非公開)

上司X

年齢:46歳
所属:某企業システム部長(かなりのITベテラン)

中学生のときに秋葉原のBit-INN(ビットイン)で見たTK-80に魅せられITの世界に入る。以来ITひと筋。もともと車が趣味だったが、ブラックピットの影響で、つい最近F1にはまる。愛車はGTR(でも中古らしい)。人懐っこく、面倒見が良い性格。


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