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履歴書の「空白期間」が企業にとって思わぬチャンスなワケ

悪い印象を持たれがちな職歴の「空白期間」。雇用主にとっては人材獲得のチャンスかもしれないと専門家は語る。

» 2023年04月24日 07時00分 公開
[Kathryn MoodyHR Dive]
HR Dive

 人材派遣プラットフォームのIndeed Flexが2023年3月16日(現地時間)に発表したデータでは、調査対象者の3分の2以上が、職歴に「空白期間」があると回答した(注1)。履歴書の空白はどのような原因で生まれ、その後のキャリアにどのような影響を及ぼすのだろうか。

履歴書の空白は“マイナス要素”? 雇用主にとってはチャンスかも

 履歴書に空白期間があることは、労働者にとってマイナス要素かもしれないが、雇用主にとってはチャンスかもしれない。

 同調査の回答者の5分の3は「空白期間によって正規雇用を見つけるのが難しくなった」と回答しているが、Indeedによれば、空白期間の主な理由は家庭の事情やレイオフ、転勤であり、そういった人々の中に優秀な人材が眠っている可能性が指摘されている。

 コロナ禍によって多くの介護士が職を失った。雇用主が職歴に空白期間がある労働者を軽視するなど、不必要に人材プールを制限している可能性があることが分かっている。

 2022年に米国雇用機会均等委員会が開催したイベントでも、この問題が話題になった(注2)。介護士や高齢者、障がい者、犯罪歴のある労働者は、いずれも経歴書の空白が足かせとなるが、スキルを持った人材が眠っていると、専門家は述べた。

 コロナ禍によって初めて失業に追い込まれた労働者もいたと、人材紹介会社のChallenger, Gray & Christmasの2021年の報告書は指摘する(注3)。多くの労働者(特に年配の労働者)は自分のスキルをどうアピールすればよいのか分からなくなっていたという。

 これを受けてLinkedInは、このような懸念に対処するため、「家事専業の親(stay-at-home parent)」という職種を追加する機能を実装し、経歴書に特定の企業名を入力しなくても良い仕様に変更した(注4)。また、特にコロナ禍以降、多くの雇用主が解雇された労働者に職場復帰を促すためにリターンシップの実証実験を行っている(注5)。

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