2022年後半に登場した「ChatGPT」に代表される生成AIサービスは、企業や今後の働き方にどのような影響を与え得るのだろうか。
IDC Japanが発表した「2022年の国内コラボレーティブワークスペース市場予測」によると、同市場の前年比成長率は10.0%、市場規模(売上額ベース)は3334億5600万円となった。業務のデジタル化を目的とした新規需要が鈍化した一方で、デジタルワークスペースの活用を前提としたさらなる業務効率化への追加投資によって高い成長率で推移した。
IDCが2023年2月に実施した調査では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の収束後も「全社的に月1回以上の頻度でテレワークを継続する」と回答した企業は、1000人以上の大企業では61.7%に上る。
ユーザー企業の投資および注力分野では、今後のIT投資における強化項目として多様な項目が挙がった。企業の関心が単なる業務のデジタル化から、生産性向上や従業員の能力開発、ビジネス機会創出へと移り、その検討手段が多様化していると考えられる。
また、2022年から相次いでGenerative AI(生成AI)関連サービスが発表されているが、こうしたインテリジェントデジタルレイバーがコラボレーティブワークスペースと融合することで業務が効率化され、本質的な働き方の変革やリスキリングを伴う従業員の配置転換につながるとIDCは考える。
2023年以降の国内コラボレーティブワークスペース市場の推移について、国内企業でシステム間の統合や生産性向上などを目的にデジタルワークスペースの活用が拡大し、好調に推移するとIDCは予測する。国内コラボレーティブワークスペース市場の2022〜2027年の年間平均成長率は6.4%で推移し、2027年には4537億7400万円になるというのがIDCの見立てだ。
IDC Japanの太田早紀氏(Software & Services シニアマーケットアナリスト)は次のようにコメントする。
「国内コラボレーティブワークスペース市場の今後の成長のために、ITサプライヤーは、生成AIの活用やガバナンス策定支援、ハイブリッドワーク環境構築に向けたビジネスコンサルティングの強化に積極的に取り組むべきです。また、国内企業は継続的にデジタルワークスペースの活用を進め、生産性向上への取り組みを推進すべきです」
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