Notionのプロジェクト管理機能をAIで強化した「Notion プロジェクト」がリリースされた。AIによって生産性が上がるというが、何ができるのか。
Notion Labs Inc.は2023年5月31日(現地時間)、Notionのプロジェクト管理機能をAIで強化した「Notion プロジェクト」を正式リリースした。日本語を含め、Notionが対応する全ての言語で利用できる。
Notionプロジェクトは、ドキュメント、社内wikiとシームレスに統合され、さらにAIによる文章要約機能などが追加されたプロジェクト管理ソリューションだ。一般的なプロジェクト管理ツールはタスク管理に重点が置かれているため、プロジェクト全体の目的やロードマップ、会議での議事録といったドキュメントやWikiが多くのツールに分散し、情報やワークフローがサイロ化する場合があると西氏は話す。
これに対し、Notionプロジェクトは、プロジェクトやタスクにひもづく情報を一つのワークスペースにまとめ、「誰がいつ何をやっているのか」だけでなく、タスクの目的や文脈といった情報もすぐに理解できることを目指す。
具体的にどのような機能が追加されたのか。Notion Labs Japanのゼネラルマネージャーの西 勝清氏がNotionプロジェクトの事前説明会で解説した内容を紹介する。
Notionプロジェクトにおいては、ロードマップやカレンダー、マーケティングキャンペーン、スプリント計画・イシュー追跡、OKRプランニングといった用途でプロジェクトを管理できる。さらに今回の発表で最も注目すべき機能は、2023年2月に正式リリースしたワークスペース上で利用できるAIサービス「Notion AI」(以下、Notion AI)との融合だという。
データベースにAIが自動で指示通りに入力してくれる項目を設定。
「AI要約」「AI要点抽出」「AI自動入力(カスタムの指示)の3パターンから選択できる。AI自動入力に「プロジェクトの内容を要約」と入れると、プロジェクトの概要を記載・編集した際に自動でプロジェクト内容を要約する。
カスタム指示でよく使われるプロンプトとしては、「プロジェクト名から想起できる機能を利用した利用事例をドラフトして」などが挙げられる。「プロジェクトマネジャーは、ユーザーが利用する際のストーリーを気にしながら新しい機能を追加できる」と西氏は話す。日本語の文章に対して「英語で要点を3つ箇条書きにして」といった言語をクロスした使い方も人気だという。
データベースに自動採番の項目を追加する機能。プレフィックス(連番前の固定文字)も指定できる。これによって似たようなタスク名でも混同せずに管理可能だ。タスクやバグにユニークな識別子を付与できるため、GitHubとの連携が容易になるという。
タスクのユニークIDをGitHubのプルリクエストの件名に設定することで両者のデータを自動でひも付けられる。GitHubのプルリクエストの更新に同期して、対応するNotionタスクは自動で更新される。
タスクをスプリント(2週間などの単位)で区切り管理できる。スプリント完了後、次のスプリントを生成し、自動で未完了タスクが移動される。なお現時点で、Notionプロジェクトリリース以前に作成されたデータベースに、スプリントの追加はできないが、今後対応予定だという。
その他、プロジェクト管理ツールのAsanaとのインポーターを用意し、AsanaのデータをNotionに移行しやすくなった。他のプロジェクト管理ツールについても順次拡充予定だとしている。
西氏は、「Notion内で、タスクやプロジェクト内のTo doを進捗させて、タイムラインなどのさまざまな視点で管理できる。そのために必要な議事録やドキュメントを全てNotioで確認できる。Notionでプロジェクトの進捗、目的、背景が全て分かることで、チームはサイロを排除し、よりスピーディーに分かりやすくプロジェクトを進められる」とまとめた。
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