日本オラクルはMySQL HeatWave Lakehouseの一般提供開始を発表した。MySQL HeatWave、MySQL HeatWave Lakehouseの概要や日本オラクルが提供することによるメリットは。
日本オラクルは2023年7月26日、「MySQL HeatWave Lakehouse」の一般提供開始を発表した。MySQL HeatWave Lakehouseの概要や日本オラクルが提供することによるメリットを、記者発表を基に紹介する。
「MySQL HeatWave」はMySQLによる分析を向上させるインメモリ・クエリ・アクセラレータだ。個別の分析データベースや機械学習(ML)ツールの他、データの抽出や変換、格納(ETL)の重複が不要になる。
日本オラクルの梶山隆輔氏(MySQLグローバルビジネスユニット アジア太平洋・日本地域担当 MySQLソリューション・エンジニアリング・ディレクター)は、その性能について以下のように語る。
「分析系の複雑なクエリにおける性能数は(同様のサービスに比べ)数十倍どころか数百倍になります。お客さまの性能差で1番大きかったのは4万5000倍速くなったというケースもあります」(梶山氏)
日本オラクルが提供を開始するMySQL HeatWave Lakehouseは、CSVやApache Parquet、他のデータベースからのエクスポートファイルなど、さまざまなファイル形式のデータを読み込み、MySQL HeatWaveで分析可能なデータウェアハウスだ。
データを読み込む際は、運用を自動化する「MySQL Autopilot」をオブジェクト・ストレージのデータに対して実行してCSVなどの対象のファイルを読み込むことで、テーブルを自動生成できる。機械学習でデータの型を予測し、テーブル定義を自動付与することも可能だ。
テーブルを自動で生成する他、分析データに対してクラスタのサイズを提案したり、分析時間を予測したりもできる。
「MySQL HeatWave Lakehouseが最小限のクラスタ構成を提案します。実行前に『この台数そのままを使う』や『コストはかかっても処理時間をなるべく短くする』といった判断も可能です」(梶山氏)
データウェアハウスは「Snowflake」「Google BigQuery」など複数が存在する中、他サービスと比べたMySQL HeatWave Lakehouseの強みについては、「分析処理の圧倒的な性能」と梶山氏は強調した。
「例えば、500TBのベンチマークを近いコストにそろえて実施したところ、分析の総時間はMySQL HeatWave Lakehouseが1時間のところ、Snowflakeは20時間程かかりました。Google BigQueryは30〜40時間かかる結果になってます」
MySQL HeatWave Lakehouseは「Microsoft Azure」や「Amazon Web Services」でも提供されている。そんな中、MySQL HeatWave Lakehouseを「Oracle Cloud Infrastructure」(OCI)で提供することで、業界で初めてデータベース内データへのクエリと、同等に高速なオブジェクト・ストレージ内データに対するクエリ実行を実現している。
「OCIはネットワークが特に早いので、他社が同じ性能になるまでスペックを上げた時の金額は、OCIの方が圧倒的に安くなります」(梶山氏)
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