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RPAは結局いくらかかるのか? 600人に聞いた初期・運用費用と予算確保の方法

RPAの導入企業は実際にどれくらいの費用をかけているのか。スムーズに予算を確保するための方法とは。

» 2023年09月22日 08時00分 公開
[キーマンズネット]

 業務自動化の現在地を探るために、キーマンズネットは「業務自動化に関する意識調査2023年」と題してアンケート調査を実施した(期間:2023年7月20日〜8月31日、有効回答数:606件)。本連載は、全8回にわたってアンケート調査から得られた結果を紹介する。

 第6回となる本稿のテーマはRPA(Robitic Process Automation)プロジェクトの「初期・運用コスト」だ。RPAの導入企業は実際にどれくらいの費用をかけているのか。スムーズに予算を確保するための方法とは。

RPAの初期、運用費用はどれくらい? 導入企業の現実

 まず、 RPAのライセンス費用や外部委託費、人件費などを含むイニシャルコストについて聞いたところ、「101〜500万円」(27.0%)、「5〜10万円」(17.9%)、「51〜100万円」(17.5%)が上位を占めた(図1)。

 従業員別にみると、1〜100人規模の企業では「5〜10万円」(44.8%)が最も多く、1001〜500人、501〜1000人、1001人〜5000人規模の企業では「21〜50万円」がボリュームゾーンだった。一方、5001人以上の企業では、2001万円と答えた回答者が28.9%と最多だった。

図1 RPAのイニシャルコスト(ライセンス費用や外部委託費、人件費など)

 では、運用費用についてはどうか。ライセンス費用や外部委託費用などを含めた年間の運用費用について聞いた。

 運用費用はイニシャルコストよりも低めの傾向で、「0〜10」(17.9%)が最も多く、「71〜100」(11.9%)、「31〜50」(10.9%)と続いた。初期費用同様、企業規模が大きくなるにつれて、費用も高くなる傾向にあり、5001人以上の企業では、「2001万円以上」(26.3%)とした回答者が最も多かった(図2)。

図2 RPAの年間運用費用(ライセンス費用、外部委託費用など)

 企業規模によって初期費用、運用費用が変動するのは想像に難くないが、大手企業は、比較的複雑な業務プロセスやシステムを持つ傾向にあり、高度な開発・管理機能が必要になるという理由でコストが上昇することが考えられる。いずれにせよ、企業は自社の規模や業務内容に応じた最適なRPA製品の選定や導入計画の立案が求められる。

RPAの予算をスムーズに確保するために何が必要?

 なお、RPA導入にかかる予算の確保のためにどのような取り組みをしたのかを聞いたところ、「ユーザー層への説明と認識促進」(38.6%)、「経営層への説明と認識促進」(35.7%)、「プロジェクト予算の割り当て」(33.2%)が上位に上がった(図3)。

図3 RPA導入にかかる予算の確保のための取り組み

 RPAに限らずIT製品導入に関わる予算確保をスムーズに行うためには、関係各所と密にコミュニケーションを取りながら承認や理解を得ることが重要だ。

 「ユーザー層への説明と認識促進」が最も高い割合を示しているのは、RPA導入時に業務プロセスの変更や導入作業を実際に行うユーザー層の理解と協力が必要であるためと考えられる。一方で、「経営層への説明と認識促進」が2位に上がった理由としては、経営層の意見が予算の確保に直結するだけでなく、特に大規模な導入プロジェクトにおいては経営層がどのような目的と計画で何をするのかというメッセージを従業員に示すことが重要であるためと考察できる。その他、プロジェクトの具体性を上げるための「プロジェクト予算の割り当て」も多くの回答者が実施していた。

RPAのコストが安いは正義なのか?

 最後にコストに関する話題に関連して、RPAを選定する際に重視する項目について紹介する。図1がその結果だ。「コストが安い」(64.5%)がトップに上がり、「UIが日本語で分かり安い」(48.0%)、「ベンダーのサポートが手厚い」(35.3%)が続いた(図4)。「コストが安い」については、例年の調査で必ずトップに上がる項目だ。

図4 RPA製品の選定で重視すること(複数回答可)

 一方で、値段だけを優先して、開発のしやすさやシナリオの視認性、メンテナンス性、運用を考えた管理機能などを考慮せずに導入した結果、RPAの利用が進むにつれて運用がうまくかなくなり、リプレースを検討せざるを得ないという話も聞く。せっかくRPAを導入しても、ツールの機能的な制限によって効果が薄れては、高いROIを出すことはできない。RPAを選定する際は、RPA製品自体のコストだけを見るのではなく、将来の運用までをイメージして要件を決めるべきだと言われるのはそうした背景があると想像できる。

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