ERPシステムを遠隔地から利用できる「モバイルERP」。社外からERPにアクセスできる、社外端末にデータを反映できるなど、活用で得られる4つのメリットを紹介する。
ERPシステムはさまざまな形で企業にメリットをもたらす。しかし最近は、従業員が社外から自社のERPシステムにアクセスする必要があることも多い。モバイルERPを導入すれば、現場で作業するエンジニアがどこからでも自社のデータにアクセスでき、業務の改善に役立つ。
モバイルERPには、自社のデータ品質や業務効率の向上といったメリットがある。また、従業員が最新情報を顧客に提示できるため、カスタマーサービスの向上にもつながる。例えば、顧客訪問中のサービスエンジニアが、訪問先にいながら今後のフォローアップの予約日時を提案できる。
ここからは、モバイルERPがもたらすメリットを確認する。
従業員がモバイルERPアプリケーションを開くたびに、クラウドベースのシステムによってアプリケーションのデータが中央データベースと同期される。同期は、携帯電話データ接続か、十分なセキュリティ対策がなされたWi-Fi接続のどちらかを介して行われる。
現場で働く従業員はすぐに中央データベースにデータをアップロードできるので、データの品質が全体的に改善される可能性がある。オフィスで働く従業員は、現場で働く従業員がオフィスに戻ってデータをERPシステムに入力するのを待つ必要がなくなる。
結果、データが最新かつ正確になり、適切な意思決定が可能になるため、データの品質が全体的に高まる。
モバイルERPアプリケーションは、画面サイズやディスプレイ解像度に合わせて調整でき、さまざまなデバイスやOSに対応できるものが多い。そのため従業員は多様なデバイスを使って自社のERPシステムへアクセスできる。
従業員は自身のニーズに合わないシステムやツールをどうにか操作しようとして時間を無駄にすることがなくなり、自身の仕事に専念できる。
モバイルERPのリアルタイム同期機能はデータを何度も入力する必要をなくすため、従業員の時間節約に役立つ。手作業によるデータ入力が減ることで間違いも減る。従業員は現場にいながら納期などの情報を確認できるため、生産性も向上する可能性がある。
仕事を進める上ではコミュニケーションがボトルネックになることが多い。モバイルERPは、他部門やベンダー、クライアントとの間のコミュニケーションを円滑にするため、会社全体の業務効率が向上する可能性がある。
モバイルERPにより、カスタマーサービスの担当者は自社の最新情報にアクセスできるため、顧客からの問い合わせに迅速かつ正確に答えられるようになる。
例えば、現場に出向いて働くサービスエンジニアは、外出先でモバイルERPアプリケーションを使って新しい顧客からの予約を自身のスケジュールに追加できる。カスタマーサービスの担当者は、顧客先への出張サービスのスケジュールを設定する際に、外出中のサービスエンジニアの予定を確認して手が空いている代わりのエンジニアを確保できる。
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