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サプライチェーンを可視化・追跡する必要ある? 期待できる5つの効果

サプライチェーンの可視性(SCV)は、製品の製造元から最終目的地に至るまで、輸送中の部品やコンポーネント、製品を追跡できる性質のことだ。本稿ではSCV実現で得られる5つのメリットを紹介する。

» 2024年02月06日 08時00分 公開
[Katie Terrell HannaTechTarget]

 サプライチェーンの可視性(SCV)とは、製品の製造元から最終目的地に至るまで、輸送中の部品やコンポーネント、製品を追跡できる性質のことだ。顧客を含む全ての関係者がデータを簡単に利用できるようにし、サプライチェーンを改善、強化することを目的としている。

SCV実現で得られる5つメリット

 SCVは一般的にERPシステムの一部として提供される。しかし、近年では企業がサプライチェーン計画を外注化したことで可視性とコントロール性が失われたため、SCVはさらに重要な要素になっている。

 サプライチェーン管理技術によって強化されたSCVなら、リアルタイムな物流データを提供し、ユーザーにサプライチェーンのさまざまな側面への深い理解を促すことで、これらの問題を改善できる。

 この技術を活用すれば、企業はサプライチェーンに深刻な問題が起きる前にデータを確認することで、目標やコンプライアンス要件、納品義務を満たす方法、ボトルネックを除去する方法、体勢を整える方法を見つけられるかもしれない。

 サプライチェーンの可視化にはさまざまなデータ収集活動が含まれる。SCVで収集できるデータは以下の通りだ。

  • 注文状況: 貨物の動きのリアルタイムな追跡により、企業は配送業者からの商品の配送予定日を知れ、運用効率が保証される。
  • 監査記録: これには、サプライチェーン全体にわたるコンプライアンスや規制の情報が含まれる。これは、ビジネスプロセスが法律にのっとって行われていることを確認するのに重要になる。
  • 配送詳細: これには、商品の出荷に関するリアルタイムデータが含まれる。この情報はSCVソフトウェアを通じて全ての関係者に共有できる。

 サプライチェーンの可視性で期待されるメリットは以下の通りだ。

  • KPIの測定: サプライチェーンはグローバル化の影響で複雑化している。関連するKPIを用いてサプライチェーンをリアルタイムに監視することで、利益率に影響する物流の混乱を避けられる
  • 競争優位性: 製品注文のトレーサビリティーに関するデータは大きな競争優位性となる可能性がある。企業は材料をいつ注文するか、いつサプライヤーに連絡するべきか、製品がいつ配送されるかを正確に把握できる
  • 予測: サプライチェーン全体のリアルタイムデータにより、製品の供給と配送時間が適切に予測されます。これは、ビジネス運営や原材料の追跡、意思決定、顧客への情報提供を改善するのに役立つ
  • 顧客満足: 在庫管理により顧客の需要を迅速に満たすことで顧客満足を最大化できる
  • コンプライアンス: グローバルサプライチェーンは、調達や流通、商品に掛かる税金など多くの規制を負っている。事業主としてサプライチェーンを通じた商品の動きを監視し、コンプライアンスの順守状況を確認することが重要になる

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