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テレワーカーをオフィス出社させるシンプルな方法

人事の専門家は“あるアプローチ”がオフィス回帰に効果的と考えている。飲み会の開催でもケータリングでもオフィススペースのアップグレードでもない、その方法とは。

» 2024年02月13日 07時00分 公開
[Emilie ShumwayHR Dive]
HR Dive

 求職支援サービスを提供するResume Builderが2023年12月(現地時間)、800人のビジネスリーダーを対象に実施した調査によると(注1)、10社に8社の企業が2024年に従業員のオフィスへの出勤状況を追跡する予定だという。

 そして、回答者のほぼ全員に該当する95%が「従業員がオフィスへの出勤ポリシーに従わない場合、その責任を負うことになる」と答えている。しかし、多くの人事の専門家は過度の強制力を伴うアプローチに警鐘を鳴らしている。

 そんな中、特に効果的と考えられているオフライン回帰のアプローチがある。飲み会の開催でもケータリングでもオフィススペースのアップグレードでもない、その方法とは。

人事の専門家が考えるオフライン回帰の有効策

 2024年、多くの雇用主は、バッジのスワイプを使って出勤状況を追跡する予定だ。また、手動で追跡したり、Wi-Fiや人感センサー、机の下のセンサーを使用したりする企業もある。

 Resume Builderの調査に回答者した人の大半は「オフィスへの帰還を促すため主に、ハッピーアワーやケータリング、オフィススペースのアップグレードという形でインセンティブを提供する予定だ」と述べた。昇給や育児手当など、より大きなインセンティブを提供する予定の雇用主は少なかった。

 新型コロナウイルス感染症の流行が落ち着き始めた直後から始まった、オフィスへの復帰に関連する“綱引き”は今も続いている(注2)。2023年には労働市場が緩和し始め、多くの雇用主がオフィスへの復帰に関するポリシーを強化した。リモート会議サービスを提供するOwl Labsの調査によると、2023年6月までに従業員の3分の2がフルタイムでオフィスに戻ったようだ(注3)。

 同調査で雇用主の76%は「オフィスへの復帰は生産性に良い影響を与える」と答え、63%は「企業文化を向上させる」と答えている。「従業員満足度の向上にもつながる」と回答する雇用主もいたが、一部の従業員や人事担当者は反対の意見を繰り返し述べている(注4)(注5)。

 ハッピーアワーやその他の簡便な解決策を重視する雇用主の戦略は、期待通りの成果に結び付かない可能性がある。人事系SaaSプラットフォームを提供するVisierの調査によると従業員は、「仕事中に十分な社交時間を得ており、仕事外での社交時間を減らしている。他の時間は友達や家族のために取っておきたい」と考えているからだ(注6)。

 Resume Builderにおける履歴書とキャリアの専門家であるジュリア・トゥースクレア氏は、同社の調査結果に関するブログ投稿で、次のように述べた。

 「企業はオフィスへの復帰を促さなければならないが、ハッピーアワーはその手段ではない。報酬こそが人々をオフィスに呼び戻す手段だ。在宅勤務は、食費やガソリン代、車の維持費、衣服代を節約し、通勤にかけていた一日の時間を取り戻すものだったからだ」

 2023年8月に実施されたResume Builderの調査によると、どのようなインセンティブを使用するにせよ、雇用主は2024年の終わりまでに、オフィスへのほぼ完全な復帰を強いることになりそうだ(注7)。人事の専門家の中には、過度の強制力を伴うアプローチに警鐘を鳴らす者もおり、雇用主はある程度の柔軟性を維持し(注8)、これらの方針を実施する際には自社固有のニーズを考慮することを勧めている(注9)。

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