製品の販売に当たってはメーカーから物流拠点、販売業者、消費者まで製品を送る必要がある。これは返品時にも発生する。この「リバース・ロジスティクス」にも効率化する方法がある。
リバース・ロジスティクスとは、消費者が製品を手放したあとに発生する一連の活動のことを指す。例えば、修理やリサイクルの返送や返品などのことで、「アフターマーケット・ロジスティクス」や「レトロジスティクス」と呼ばれることもある。
リバース・ロジスティクスで製品がたどることになるプロセスとしては以下のようなものがある。
サプライチェーン管理(SCM)と同様、リバース・ロジスティクスも計画の改良と上手な管理および実践によって効率化でき、利益増につなげられる。これらはサービス・ライフサイクル管理(SLM)の要点でもある。
リバース・ロジスティクスはいい意味でも悪い意味でも企業の収益に大きな影響を与える。例えば、返品ポリシーが寛大だと流通業者や販売業者が販売予想を上回る製品を確保しようとすることで、メーカーの在庫コストが増加する可能性がある。逆に、製品を適切に廃棄することで、環境規制違反による罰則を最小限に抑えられる。
消費者から返品された製品の追跡に使われる、バーコードやスキャナー、マテリアルハンドリングシステム、電子データ交換などの電子商取引技術は、製品を消費者に届ける際にも使われている。
リバース・ロジスティクスを巡っては、SCMやERPのベンダーがサポートに消極的だとする見方もあったが、現在ではほとんどのベンダーが関連機能を組み込んでいる。中にはリバース・ロジスティクスを専門とするニッチなベンダーや、リバース・ロジスティクスに対応する3PLプロバイダー(荷主企業に代わって、効率的な物流戦略の企画立案や物流システムの構築を提案、実施する事業者)も存在する。
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