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人気爆発のNotionと低迷のEvernote、ノートアプリのトレンド事情を読む

「Evernote」や「Notion」などのノートアプリの利用が企業でも進んでいるが、両者の人気には差があるようだ。ノートアプリのメリットや企業での導入実績、両者のセキュリティ機能、市場での位置付けなどを解説する。

» 2024年05月01日 08時00分 公開
[Will KellyTechTarget]

 ノートアプリは、個人で利用されることが多く、企業が導入することはほとんどないと思われてきたが、その状況が変わるかもしれない。人気のノートアプリである「Evernote」と「Notion」は、企業のITバイヤーにとって魅力的に映る機能と性能を備えている。

 Evernoteは「Evernote Teams」を提供していて、ノート作成機能やチームコラボレーション、セキュリティの向上、ガバナンス機能を追加した。有名なノートアプリであるNotionは、Wikiやその他のコラボレーション機能を搭載している。これらのツールは、企業向けコラボレーションの中でもどこに位置付けられるのだろうか。

NotionとEvernote、明暗が分かれた背景

 COVID-19が大流行した際、コラボレーションプラットフォームは社内コミュニケーションやコラボレーション戦略において中核的な役割を担っているが、チームはスケーラビリティやユーザビリティに苦労した。COVID-19のパンデミックはより軽量で安全なコラボレーションツールの必要性を浮き彫りにした。これは、EvernoteやNotion、それらに類似するアプリにとって大きな転換点になった。

 EvernoteとNotionは現場主体の導入に向いている。現在のコラボレーションツールに不満を感じているユーザーが一人でもいれば、サービスデスクからチケットを発行してIT部門の承認を待つことなく、すぐに導入できて、使いやすく管理しやすいアプリケーションをマネジャーに売り込むことができる。

 EvernoteとNotionは、ワークスペースやページを作成または管理するための専門的なトレーニングやデザインスキルを必要としない。各サービスは急速に成熟し、さまざまな機能を実装している。Notionは現在、AI機能のβ版を提供している。

 これらのツールは、「ランド・アンド・エクスパンド戦略」における典型的な導入事例だ。テレワークが普及したことで、フルテレワークを効果的にサポートするコラボレーションインフラを持たない組織でも、ランド・アンド・エクスパンド戦略の採用が容易になった。パンデミック前にNotionやEvernoteが勤め先で公式で使われるツールではなかったとしても、テレワークの環境で、IT部門による初期的な承認を経ずに、コラボレーションとコミュニケーションを改善するためにこれらのツールを採用できる。

 Notionは企業の導入実績が増えている。Notionには、プロジェクトダッシュボードやエンジニアリング部門のためのWiki、デイリースタンドアップなど、無料と有料のテンプレートが豊富に用意されている。Notionは、Mixpanel、Loom、Headspaceなどの一部の顧客からのテンプレートも提供している。NotionのEnterpriseプランでは、カスタマーサクセスマネジャーにもアクセスできる。

 一方のEvernoteはユーザーへの影響力を失い、それが課題だ。Evernote Teamsは、オンボーディングプログラムや、25席以上のチームを対象とした専任のカスタマーサクセス・マネジャーなど、ボトムアップの導入を促進するために、理論上は適切と思われる取り組みを進めている。

 ベンダーによる認定は、マネジャーからの信頼につながり、組織における技術の採用に関して重要な役割を果たす場合がある。Evernoteはエンドユーザー向けの認定を提供している。一方で、Notionは、より複雑な企業向けのユースケースや展開に対する認定コンサルタントの資格を持っている。

セキュリティとコンプライアンス

 Evernote Teamsは、2段階認証によるデータセキュリティの強化に加え、MacとWindowsでのノート内暗号化を約束している。このプランには、ビジネスデータの所有権を維持するためのツールやアカウントの一元管理、詳細なログを備えたアカウント履歴も含まれる。

 NotionのBusinessプランとEnterpriseプランでは、Security Assertion Markup Languageによるシングルサインオンとプライベートチームスペースが提供されている。Enterpriseプランには、ユーザープロビジョニング(クロスドメイン、アイデンティティー管理システム)、高度なセキュリティと制御、監査ログも含まれる。

 大企業では、テレワーク環境においてコラボレーションツールの分散化がビジネスにおいてマイナスの意味を持つ。これらのツールは有望ではあるが、パンデミック中のボトムアップでの導入がシャドーIT化を招く恐れもある。多くの場合、現実にはセキュリティチームやコンプライアンスチームが、NotionやEvernote Teamsに対する組織内の承認に関与している。

統合と拡張性

 ユーザーの視点では、統合は今日のSaaSアプリケーションの機能を向上させる要素だ。「Slack」や「Microsoft Teams」は、テレワークチームやハイブリッドチームのコミュニケーションハブとして機能する。それぞれのアプリケーションは、多数のアプリと統合されている。

 Evernote Teamsは「Google Workspace」や「Salesforce」、Slack、Microsoft Teamsと連携でき、チームや組織全体で顧客やプロジェクトの情報を容易に共有できる。

 Notionは、「GitHub」や「GitLab」「Zoom」などの人気のあるSaaSツールと統合されており、Lucid Software、Cisco Webex、Typeformなどのパートナーとの統合も行われている。

 プラットフォームの拡張性も気になるポイントだ。NotionもEvernote Teamsも、スタートアップや大企業内のチームといった小規模な組織をターゲットにしている。

 BufferやAxios、Mixpanelなどの著名なスタートアップは、全てNotionの顧客だ。一方、CapgeminiやMatch Groupなどの大企業の顧客は、Notionの導入をチームや小規模な事業部門に絞っている。NotionのEnterpriseプランは、高度なセキュリティやユーザーのプロビジョニング、内部チームとゲストユーザーにわたる分析機能を備えており、大規模な顧客を対象としている。

 Evernoteは、全社的な大規模な導入よりも、チーム単位での導入に重点を置いているようだ。

EvernoteとNotionの導入に関する課題

 過去数年間、パンデミック以前からEvernoteの人気は低迷してきた。かつてEvernoteを支持していたユーザーの多くが、Notionなどの他のプラットフォームに移行している。さらに、Evernoteは2023年11月にアプリ開発企業であるBending Spoonsとの買収契約を発表しており、その未来に関する不確実性が増している。

 2023年にはCFOがソフトウェア支出を見直す中で、技術スタックに新しいツールを追加することは、予算を考えると難しいだろう。部門予算を通じてNotionやEvernote Teamsの支払いをする場合でも、追加の精査がある可能性がある。

 NotionやEvernoteがROIを計算するツールをリリースするかどうかが注目される。現在および将来的な顧客がソフトウェアライセンスや経費を見直す中で、避けられないCFOとの議論をサポートするためだ。

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