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MicrosoftのカスタマイズAI「Copilot Studio」は何ができる?

Microsoftは、AIエージェントの開発を容易にする機能を追加し、セキュリティ管理を強化した。

» 2024年12月23日 08時00分 公開
[Lindsey Wilkinsonキーマンズネット]
CIO Dive

 Microsoftは、2024年のカンファレンス「Ignite」で発表された一連の新しいサービスと製品を通じて、AIエージェントのポートフォリオを拡大している。その一つに「Copilot Studio」の強化がある。Copilot Studioとは、ユーザーのニーズや業務フローに合わせてAIをカスタマイズする機能だ。エージェントによる応答を顧客が改善できるように、Copilot Studioの知識ソースとチューニング機能を強化した。何ができるようになったのか。

進化したCopilot Studioは何ができる?

 現在、Copilot Studio内の自律型エージェントは、パブリックプレビューの最中にある。新たなマルチモーダル機能により、音声や画像分析を通じてエージェントとの対話が可能になるなど、さまざまな機能が強化された。

 また、Microsoftは、データを保護し、使用状況を監視するためのセキュリティ対策に関する更新を発表した。同社は「エージェントには、エージェントを保護するための包括的な企業向けデータ保護機能が搭載されており、暗号化やデータ損失の防止、プロンプトインジェクションのようなリスクに対応する責任あるAI戦略を含む緩和策や管理機能が備わっている」と述べた。

 ベンダーが主導する生成AIに関連する革新は、ユーザーや組織のために独立して機能する自律的な能力を備えたAIエージェントを中心に展開されている。

 SAPやSalesforce(注1)(注2)、Slack(注3)、Metaなどのベンダーは(注4)、AIアシスタントを強調するのではなく、AIエージェントの価値に焦点を当てる方向に移行し始めている。2024年10月にMicrosoftは、顧客に対して、同年11月に予定しているCopilot Studioにおける自律的な機能の登場を期待するよう伝えた(注5)。

 企業で実際に活用できるほどにAIエージェントの準備が整っているのかという点について、アナリストたちは依然として疑問を有しているが(注6)、企業は積極的な準備に取り組んでいる。コンサルティングファームであるCapgeminiが2024年7月に行った調査によると、経営幹部のうち80%以上は「今後3年以内にAIエージェントを導入する予定だ」と答えたという(注7)。

 トヨタ自動車株式会社は、本技術のアーリーアダプター(早期導入者)だ。Microsoftによると、同社は生成AIを用いたエージェントのシステムを構築しており(注8)、現在、約9つのエージェントが使用されており、知識の保存と共有を支援しているという。

 調査企業であるGartnerのアヴィヴァ・リタン氏(上級バイスプレジデント)は、2024年10月に行われたITシンポジウムで「エージェントを導入すると、さらに複雑になる」と述べた。Gartnerは、2028年までに企業におけるセキュリティ侵害のおよそ4件に1件がAIエージェントの悪用に起因するものになるだろうと予測しており(注9)、企業は成熟したセキュリティ環境への投資が必要だとしている。

 アドバイザリーサービスを提供するKPMGは、AIエージェントを試験的に導入している企業の1つである(注10)。2024年10月に同社は、CFO Diveに対して「プロジェクトはまだ本格的な運用に入っていない」と述べた。まずは必要な緩和策の特定と導入に焦点を当てているという。

 AIエージェントを業務全体に組み込むことは、既存の生成AIのワークロード以上にさらなるコンピューティング能力を必要とする(注11)。Microsoftをはじめとするインフラ提供者は、この新しい要件を満たすためのカスタムソリューションの構築に取り組んでいる。

 2024年11月19日にMicrosoftは、Azureにおけるワークロードを処理しながらセキュリティを強化するために設計されたカスタマイズチップを発表した。同社によると、社内開発のデータ処理ユニットであるAzure Boost DPUは、クラウドインフラのストレージやネットワーキング、アクセラレーションの効率を向上させる。

 もう1つのチップであるAzure Integrated Hardware Security Moduleは、データセンターにおけるセキュリティと保護を強化する。

 Microsoftは、ブログで次のように述べた。

 「シリコンからシステムまで、MicrosoftはクラウドとAIの需要を満たすためにインフラを最適化するエンドツーエンドのアプローチを取っており、パフォーマンスと効率の適切なバランスを信頼性の高い状態で安全に顧客に提供している」

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