SignalFireの報告書によると、2014年以降、機械学習とAIエンジニアリングの職種は2700%増加しているという。
ベンチャーキャピタル企業であるSignalFireが2024年11月13日(現地時間、以下同)に発表した分析によると(注1)、過去10年間で機械学習とAIエンジニアリングの職種に対する企業の需要は着実に増加しているという。同社はプラットフォーム「Beacon」を通じて、20年にわたる6億人の従業員のデータを分析した。
報告書によると、2014年以降、機械学習およびAIに関連する専門職は2700%増加した。一方、同じ期間におけるDevOpsおよびクラウドエンジニアリングの職種は約200%の増加にとどまった。
SignalFireによると、機械学習およびAIのスキルに対する企業の高い需要を受けて、この2つの分野の技術者はソフトウェアエンジニアのような安定した職種と比べて5年間の定着率が最も低い水準にあることが分かった。
AIの活用による成果を出さなければならないというプレッシャーの中で、企業のリーダーは有能な人材の不足を含む幾つかの障壁の克服に取り組んでいる。
AIを大規模に導入し、そのメリットを享受するためのリソースを完全に備えている企業はごく少数だ。多国籍ITサービス企業であるInfosysによると、効果的なAIソリューションを展開するための人材およびデータ、技術を持つ組織は全体のわずか2%にすぎないという(注2)。
AI領域における空席を埋めなければならないというプレッシャーが、経験豊富なAIエンジニアの報酬パッケージを押し上げている(注3)。AIのバックグラウンドを持つ技術者たちは、自らの市場価値に対して(注4)、より自信を持つようになっている。
SignalFireは、報告書の中で次のように述べている。
「上昇志向の強いエンジニアにとって、キャリアの流動性を促進する最も重要な要因の1つは専門分野である。エンジニアの専門分野によって昇進のスピードは全く異なる」
AIエンジニアは管理職になるまでの道のりが短く、平均3年未満でリーダーへの階段を駆け上がっている。
SignalFireの開発者コミュニティーの責任者であり、報告書の著者であるジャロード・レイエス氏は「CIO(最高情報責任者)や他のリーダーは、優秀な人材を維持するために、特にエンジニアが就業から2年目ないし3年目を迎えた段階で意欲を保つよう働きかけるべきだ」と指摘している。
「リーダーはエンジニアが専門性をさらに高められるように、プロジェクトのリードをはじめとして、エンジニアにとって興味深い技術的な課題や取り組みを見つけるべきだ」(レイエス氏)
出典:Demand for AI engineering soared in the last decade(CIO Dive)
注1:The engineering career mobility report: Who gets promoted?(SignalFire)
注2:Data, talent gaps block enterprise hopes for higher productivity(CIO Dive)
注3:Senior AI talent rakes in top dollar amid rising demand(CIO Dive)
注4:AI specialists eye new, better jobs as demand rises(CIO Dive)
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