人材コンサルティングサービス企業が600万件の求人データを分析し、需要の高いIT系の職種を明らかにした。人材が不足している企業の取り組みも分かる。
人材コンサルティングサービスを提供するRobert Halfが2025年2月17日(現地時間)に発表した報告書によると、最も需要の高い技術職はAIアナリストおよびビジネスインテリジェンス開発者、サイバーセキュリティエンジニアであった。同社は、求人サイトや企業サイトで新たに募集された600万件の職種を基に分析を実施した。
付随する調査で、技術リーダーの4分の3以上が「現在の部署にスキルギャップが存在している」と回答した。約7割の経営幹部は「2024年にスキルギャップが拡大した」と述べた。
報告書によると、雇用の促進はITシステムのセキュリティ強化やML(機械学習)を含むAI、自動化の導入など企業の戦略的な優先事項を反映しているという。
AIの導入を進める中で、企業はコストとデータに関する問題を解消しようとしているが、依然として人材確保が障壁となっている。経験豊富なAI技術者は希少で需要が高い。
順位 | 職種 |
---|---|
1 | AI/MLアナリスト |
2 | ビジネスインテリジェンス開発者 |
3 | サイバーセキュリティエンジニア |
4 | データエンジニア |
5 | DevOpsエンジニア |
6 | ヘルプデスク |
7 | ITプロジェクトマネジャー |
8 | ネットワーク/クラウドエンジニア |
9 | ソフトウェアエンジニア/開発者 |
10 | システム管理者 |
人材不足に対応するため、CIO(最高情報責任者)たちは既存の従業員に目を向けている。新規に確保するのではなく社内でスキルアップの取り組みを展開し従業員の能力向上を図っている(注1)。
コンサルティング企業であるProtivitiのデータによると(注2)、世界の経営幹部はハイテク人材の不足を、経済の不確実性やサイバー脅威と並ぶ重要なグローバルリスクと捉えている。同社は1215人の役員および経営幹部を対象に調査を実施し、2025年2月の初めに報告書を発表した。
専門性の高い人材に対する需要は既存のIT系の職種の拡大および空席のポジションの増加に反映されている。
米国労働統計局のデータをレビューしたCompTIAによると、2025年1月には業界全体で約25万件の技術職が採用されている(注3)。また、CompTIAは、2025年1月に有効求人数が増加し、47万6000件の空席があることを発見した。
転職サービスを提供するRevatureが人事領域とIT領域の意思決定者を対象に実施した調査によると(注4)、人材不足に対処するために、半数以上のリーダーがAIに関連する研修に2025年のうちに着手するという。
出典:AI, cyber top list of in-demand tech roles(CIO Dive)
注1:AI to reshape 2025 tech talent strategies(CIO Dive)
注2:Economy, Cyber Threats and Talent Dominate List of Critical Near-Term Risks for Boards and Executives, Protiviti and North Carolina State University Survey Finds(PR Newswire)
注3:Tech jobs, postings surge at the start of 2025(CIO Dive)
注4:IT leaders turn to upskilling to close looming skills gap(CIO Dive)
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