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ピザチェーンがデータとAIで進化しようとしている ファストフード業界の挑戦CIO Dive

ピザチェーン事業を営むPapa Johnsは「Google Cloud platform」のAIや機械学習、データ分析機能の活用に特化したイノベーションチームを立ち上げた。

» 2025年06月13日 10時00分 公開
[Lindsey WilkinsonCIO Dive]
CIO Dive

 ピザチェーンのPapa Johnsは、2025年4月3日に発表したGoogle Cloudとのパートナーシップ拡大の一環として、業務運営と顧客体験を対象にさまざまなAIプロジェクトを準備している(注1)。

AIの活用を進めるファストフード業界

 Papa JohnsはPJXと呼ばれるイノベーションチームを設立し、Google CloudのAIおよび機械学習(ML)、データ分析機能の活用に注力していくようだ。目的は店舗運営の最適化やカスタマーサービスコストの削減を図りつつ、顧客満足度の向上を実現するところにある。

 Papa JohnsはAIを活用した配達指示や配送ルートの最適化、業務プロセスの自動化を可能にするため「Google Cloud Platform」をベースとしたPOSシステムに移行する予定だ。よくある顧客からの問い合わせに対応するAIチャットbotの開発や、自社アプリに音声注文の機能を導入する計画もある。

 ファストフード業界は労働市場の冷え込みや顧客の支出抑制といった不確実な状況に対応するため(注2)(注3)、引き続きテクノロジーへの依存を強めている。

 「ケンタッキーフライドチキン」や「ピザハット」「タコベル」などのブランドを保有するファストフード企業のYum Brandsは、フランチャイズ加盟店に即戦力となるソリューションを提供して業務の重複を排除し、戦略的な優先事項を支援するために、独自のSaaS型ツール群を構築した(注4)。2025年3月に同社はAI活用を推進する目的でNVIDIAと提携した(注5)。

 Marco’s Pizzaもこれまでの成果を生かしながら(注6)、顧客体験と従業員体験の向上を目指して、2025年にテクノロジーのアップグレードを進める計画を打ち出している。

 Papa Johnsは2024年8月に新たなCEO兼社長として(注7)、Wendy’sの元CEO兼社長であるトッド・ペネゴア氏を迎え、既に始動していた計画「Back to Better 2.0」を託した(注8)。同年9月には、Wendy’sの元CIO(最高情報責任者)であるケビン・バスコーニ氏を最高デジタル技術責任者として起用した(注9)。さらに同年11月には新たなCMO(最高マーケティング責任者)が就任し(注10)、その他の経営陣も刷新または拡充された。

 2025年3月の投資家向けプレゼンテーションで経営陣が説明したように(注11)、Papa Johnsは今後テクノロジースタックへの投資を重点分野の一つと位置付けている。同社は、テクノロジーへの投資を通じて業務効率を高め、フランチャイズ加盟店の収益性を向上させようとしている。

 2024年11月に開催された同年の第3四半期の決算説明会において、ペネゴア氏は次のように述べた。

 「現在、当社はテクノロジースタックへの投資と本格的な近代化の道のりをどのように歩むべきか検討している最中だ。テクノロジー分野には、取り組むべき機会が他にも数多く存在している」

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