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平均年収868万円、週3勤務も データサイエンティストの働き方調査【2025年版】

CAMELORSが提供する人材マッチングサービス「SOKUDAN」が、データサイエンティストの平均年収、稼働日数、リモート対応率などを調査した。今後も企業のDX推進により高収入かつ専門性の高い職種として注目される。

» 2025年09月24日 10時00分 公開
[後藤大地有限会社オングス]

 CAMELORSは2025年9月18日、同社が運営する求人マッチングサービス「SOKUDAN」に掲載のデータサイエンティスト案件の調査結果を発表した。本調査は2019年7月1日〜2024年12月31日までに公開の5524件の案件(一部抜粋)を対象に、単価や稼働時間を基に平均時給を算出し、そこから想定年収を試算した。

データサイエンティストの平均年収は 勤務日数は少な目?

 調査によると、データサイエンティスト案件の平均年収は868万円となり、エンジニア職種別のランキングで3位に位置した。バックエンドエンジニア(862万円)をわずかに上回る結果となり、AIや機械学習の普及に伴ってデータ活用が事業に直結する領域となっている状況が反映されている。

 稼働日数の分布をみると、週4〜5日の案件が56.4%と過半数を占めたが、週2〜3日も41.8%と高い割合を占めた。プロジェクトベースでの分析やモデル開発が多いため、成果物を重視する働き方に適した柔軟性が示されている。週1日の案件は1.8%にとどまり、継続的な作業よりも一定の稼働を伴う案件が中心になっていることが分かる。

 働き方の柔軟性はリモート対応にも表れている。「フルリモート(在宅OK)」が71.1%、「リモート(一部)可」が23.0%であり、合計すると94.1%の案件が在宅勤務を前提としている。「リモート不可」は5.9%で、データサイエンティストにとって働く場所の自由度は高い傾向にある。クラウド環境やデータベースへのアクセスさえ確保されれば業務遂行が可能になっていることがこの結果を支えている。

 案件の業界別において、「その他IT関連」が34.66%と高い比率を占めた。次いで「Web制作」が12.42%、「その他人材サービス」が10.03%、「SaaS」が8.17%となった。特徴的なのは、「AI(人工知能)」が4.19%と比較的低い割合にとどまっている点だ。これはAI技術そのものを開発する企業よりも、既存ビジネスにデータ活用を取り入れる企業での需要が強いことを示している。幅広い業界に案件が分布していることからも、データサイエンティストの業務が特定領域に偏らず、多様な分野で価値を発揮していることが読み取れる。

 将来性についても注目される。企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進が進展する中で、データから実用的なインサイトを導出する力は競争力の源泉とされ、平均年収の上昇も現実的とみられる。生成AIの普及に伴い、従来の分析業務に加えてAI戦略の立案や導入支援を担う役割が増えており、高度なスキルを持つ人材は高く評価される可能性が高い。

 リモート対応率が94.1%に達している点は、都市部に限定されない案件獲得を可能にし、グローバル案件や地方からの参画にもつながっている。加えて、プロジェクトマネジメントスキルを持つ人材は、年収1000万円を超える案件を狙える状況も見込まれている。業界横断的な需要と高い自由度を備えるデータサイエンティストは、長期的に安定した高収入を維持できる専門職の一つとして位置付けられている。

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