OrangeOneは「ゼロタッチ情シス」に関するウェビナーを開催した。2030年問題などIT人材が不足し業務の増大も予測されている今こそゼロタッチ情シスに切り替えるタイミングだという。その背景はどのようなものだろうか。
OrangeOneは2025年12月9日、「ゼロタッチ情シス」に関するウェビナーを開催した。
「ここまで来ている!生成AI×アウトソースで実現する最新“ゼロタッチ情シス”とは?」と題し、多くの情シスが直面している課題を、情シスの運用をほぼゼロタッチで回すゼロタッチ情シスによって解消する方針を説明した。
ウェビナーに登壇したOrangeOne DX事業部の松島和香氏は冒頭、情シスが直面している課題として、PCやSaaS、セキュリティ要件が増えている現状や、IT人材が足りず現場がパンク状態であること、2030年問題でさらにIT人材の不足が加速することを挙げた。
2030年問題について松島氏は、2030年に労働需要7073万人に対し労働供給6429万人と約640万人の人手不足になることを解説し、「2030年が近づくほど、駆け込み需要でIT人材の枯渇と高騰が予想される。また、多くの企業では2030年に先んじて、2026年から2028年の3カ年での全社効率化を企画している。だからこそ、まずは情シス自身のノンコア業務をゼロタッチ化しようという動きが活発になっている」と述べた。
松島氏はゼロタッチが本格的に求められている理由として、1つ目に、IT人材不足の解消が難しいことを提示し、2つ目に、情シスの守備範囲が劇的に広がってきていることを挙げた。
さらに3つ目には、「ゼロタッチ化を形作る部品がここ2〜3年でそろってきた」と述べ、PCやエンドポイント、SaaSアカウント、問い合わせや運用タスクに至るまで、クラウド基盤や自動化ツール、アウトソースの選択肢が整ってきていることを説明した。それら全てを、まとめてゼロタッチ情シスで回す発想に切り替えるべきタイミングが今だという。
「これまでゼロタッチというと、主にPCのキッティング作業を指すことが多かった。しかし、情シスが対処すべきテーマはSaaS手配や問い合わせ対応、セキュリティ対応など幅広く、それらを総合的にカバーしないと、業務全体が楽にならない」と松島氏は述べ、ゼロタッチの領域が拡大する展望を語った。
松島氏はOrangeOneが提案しているゼロタッチ情シスの実現のための要素として「仕組み×生成AI×アウトソース」の組み合わせを提示した。
“仕組み”では、Freshworksが提供するサービスデスクツール「Freshservice」を自動化の土台とする。“生成AI”は自動化の頭脳となるもので、OrangeOneが独自開発した「Smile AI」とFreshworksの「Freddy AI」を活用している。最後に、運用の手足を担う“アウトソース”は、SCSKサービスウェアが提供し、PCのLCMサービスや運用監視サービス、サービスデスク機能を担う。
松島氏は仕組みと生成AIの2要素を中心に、どこまでゼロタッチを実現できるかについて、4つの領域に分けて解説した。
1つ目は、問い合わせ対応のゼロタッチだ。従業員からの疑問に対して、まずはAIが一次回答し、解決しないものだけを情シスに自動で渡す。具体的には、過去の問い合わせデータからAIがFAQを自動生成し、従業員の問いかけに対して自動で返信を行ってくれる。また、情シスが対応しなければいけない案件であっても、AIが返信の下書きを提案するなど業務補助を実行する。
2つ目は SaaSやPC手配のゼロタッチで、入社や異動、退職に伴うアカウントやPCのライフサイクル管理をできる限り自動化する。入社時に必要なアカウントや物品の手配といった煩雑な業務を自動化し、退職時にはPC返却やID解除を処理する。
3つ目は資産管理のゼロタッチとして、PCやサーバ、ネットワーク機器、ソフトウェアや契約情報など、できるだけ自動で収集し、棚卸しや監査にも耐えられる状態に整理して保つ機能を実行する。また、契約無しに利用されているシャドーITの発見やアプリライセンスの割り当て状況など、IT資産の情報をゼロタッチで把握できる。
4つ目は、アラート管理(セキュリティ対応)のゼロタッチだ。監視ツールからのアラートを集約し精査することで、本当に対応が必要なものだけを適切なチームに自動で回す。Freshserviceは「Amazon CloudWatch」など各種監視ツールと連携できる。各監視ツールから送られてきたアラート情報を補足し、その内容や緊急性などを一覧で管理し、アラートを正規化してグルーピングする。また、チケット化の有無の判断やインシデント管理も自動で処理するため、情シスが対処不要なアラートへの対応に追われることがなくなる。
松島氏は最後に、ゼロタッチ情シスを目指すための3つのポイントとして、「1つ目に、人を増やす前提のIT運用から、どこまでゼロタッチに寄せられるかという発想に切り替えること。2つ目に、フロントのAIと背骨としての仕組みを合わせることで、『受ける、判断する、動かす』を自動化すること。3つ目に、4つの領域をいきなり全て始めようとするのではなく、一つ二つの領域やシナリオから小さく始めることが現実的であること」と述べた。
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