IT導入完全ガイド
なぜ、BIツール業界で「セルフサービスBI」が躍り出たのか――BIツールの変遷を振り返る(3/4 ページ)
セルフサービスBIツールに共通する機能とは
主要なベンダーが提供する各セルフサービスBIツールの特徴については次回掘り下げる予定だが、ここでは各ツールに共通する機能について紹介したい。セルフサービスBIの特徴を端的に表すことができるキーワードとして「データディスカバリー」というものがある。そして、データディスカバリーには、「インタラクティブビジュアライゼーション」と「サーチベースデータディスカバリー」の2つの主要なパターンがある。
まずインタラクティブビジュアライゼーションであるが、これはデータをビジュアル化してそこに隠された“何か”を探りつつ、次の切り口を考えていくアプローチである。こうしたことができるようになったのには、グラフィックス機能の向上といった技術的背景もあるが、地図データなどの外部データが比較的入手しやすくなったという社会的な背景もある。
続いてサーチベースデータディスカバリーというのは、定量化できるような数値データだけではなく、定量化できない任意のキーワードでもデータを分析できるようにするアプローチである。例えばある製品の販売成績を上げることを目指してデータを分析する際に、過去の売り上げデータや顧客データに加えて、指定したキーワードに関する統計データをWebなどから引っ張ってきて分析軸に加えていくのだ。
2つのアプローチをまとめると、セルフサービスBIツールというのは、どのデータを使って何をやりたいかがあらかじめ決まっていなくても、ユーザーがまず手元にあるデータなどを使いながら、次はどのデータを使い、どんな角度から見てみるかといったように、次々と切り口を変えていくことができるデータ分析/活用手法だといえるだろう。
Excelでのクロス集計ではなぜいけないのか?
ユーザー自身によるデータ分析ツールといえば、真っ先に思い付くのがExcelではないだろうか。Excelを使ったクロス集計は営業担当者やマーケティング担当者にとって定番中の定番ともいえる活用法だ。では、Excelによるクロス集計ではなぜダメなのか、その決定的な理由は先に述べたインタラクティブビジュアライゼーションとサーチベースデータディスカバリーの要件を満たさない点にある。
例えば会議の席で、あるデータとあるデータをExcelでクロス集計した結果をグラフ化して上層部にプレゼンをしたとしよう。もしも会議の出席者から“このうち片方のデータはこれではなく、◯◯のデータにしたグラフも見せてくれないか”という要望があったとする。こうなると、会議の後にいったん持ち帰り、もう一度グラフを作成し直して、あらためて次の会議で示さなければならなくなる。
つまり、Excelによるクロス集計でできるのは、あらかじめ決められたデータを使ったレポート止まりとなってしまうのだ。これがセルフサービスBIであれば、その場で次々と異なるデータを使って可視化していくことができるわけだ。迅速な意思決定を支援するという観点から言うと、この違いは決定的であることがお分かりいただけるだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
IT導入完全ガイド
注目の技術やITツール。そもそもどういったモノで何に使えるのか、どんなモノを選ぶべきか、課題はあるか、といった情報を基礎から徹底解説します。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
キーマンズネットに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Gemini Notebook」になって何が変わった? NotebookLMからの変更点をおさらい
-
2
そのIT資格、これからも評価されますか? 5年のデータで見る「廃れる資格」「化ける資格」
-
3
Googleの自動化ツール「Workspace Studio」×Gemini、4つの業務効率化アイデア
-
4
7歳からのLinux愛好家が、なぜ今「Windows」に? OSの見方が変わった理由:896th Lap
-
5
ゼロから分かる「Python in Excel」 プログラミング未経験の筆者がデータ分析してみた
-
6
M365 Copilotを配っても「使われない」 でもAI活用が進んだ福島県庁の"逆張り"戦略
-
7
その見積書、ChatGPTに入れて大丈夫? 現場で迷わない「OK/NG」の線引き
-
8
「Gemini 3.8 Flash」の狙いは“賢さ”ではない? 発表から見えた3つのポイント
-
9
AIを入れても会社の仕事は変わらない AIに仕事を任せられない「根本原因」
-
10
タダで使える国会図書館の文字起こしツール、汚い手書き文字で精度をガチ検証
キーマンズネット SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
キーマンズネットをフォロー