IT導入完全ガイド
SIer不要論、情シス飛ばし、超高速開発ツール選びの分岐点(2/4 ページ)
今回取材を通じて、開発の生産性を向上させるという目的の背景にさまざまな思惑が垣間見えた。そんな超高速開発ツールにまつわる情報を俯瞰(ふかん)する。
そもそも誰が使うのか?
日本におけるシステム開発環境は、米国と比べても大きな違いがあることはご存じの通りだろう。米国では社内に在籍するエンジニアによるアプリケーション開発が一般的で、付加価値を生み出すためのさまざまな仕組みを社員自らが開発していくスタイルになる。
しかし日本の場合、社内の情報システム部門は開発を行うよりも外部に委託し、管理する立場のケースが多い。そもそも、日本全体のエンジニア分布を見ても、エンドユーザーよりもインテグレーターに在籍している数の方が多く、実際に手を動かすのはインテグレーターが中心。つまり、超高速開発ツールを導入するのは、システム開発の主体となっているインテグレーター側のケースが多いようだ。
超高速化ツールにまつわるSIer、情報システム部門双方の思惑
割合的にはインテグレーター側で導入するケースが多いと前述したが、実際にはインテグレーターおよび情報システム部門双方に、超高速開発を推し進める動機があるようだ。
インテグレーターの場合、システム開発案件自体はそれなりにあるものの、現在の市場では従来に比べて工数単価は下落傾向にあるという。そうなると、なるべく手間なく開発を行う環境が必要になり、開発者ごとのばらつきがなくメンテナンスも効率的に行える超高速開発ツールが実際のビジネスに役立つ。
一部メディアでは「SIer不要論」が論じられるなど業界としても過渡期にあり、それを打破して顧客への価値を最大化するための仕掛けづくりが急務となっている。そこで、内部的な工数を劇的に下げて短納期にも対応していくことが可能な超高速開発ツールに期待が集まるというわけだ。
そしてエンドユーザーの情報システム部門にとってみても、現状のままではその立場が危うくなるという危惧がある。さまざまな仕組みがクラウドに展開されると、システムそのものに必要な運用管理業務の負担は減るのは間違いない。
シャドーITが横行し「情シス飛ばし」がまことしやかに叫ばれるなか、情報システム部門が従来持っていた役割や価値の変換を図っていく必要が出てくる。そこで自分たちの存在価値をあらてめて社内に知らしめるためにも、システム内製化へ舵を切る企業も少なくないようだ。そのためには、内製化に役立つツールの存在が求められることになり、そのニーズに合致するものの1つが超高速開発ツールなのだ。
台頭するアプリケーション開発の新たな姿
これまでアプリケーション開発は、自社で開発するか、インテグレーターなど外部に委託するというスタイルのどちらかが中心だったが、最近では新たな形でアプリケーション開発を進める動きも出てきている。いわゆる“共創”するスタイルだ。これは、最終的に自社でアプリケーション開発を行うものの、超高速開発ツールをベースにベンダーから期間限定でサポートに入ってもらい、実際の開発を指導してもらうというものだ。実践的なテクニカルセミナーだけではツールの習熟に時間がかかるため、日々オフィスで指導してもらいながらツールに慣れていくことができるようになる。こういった共創するスタイルのサービスは、これからどんどん出てくることだろう。
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