プロセスマイニング入門~マニュアルのない業務の真実を「発見」する技術(3)
プロセスマイニング、分析前後のとても重要な工程と継続的業務カイゼンのヒント(2/3 ページ)
プロセスマイニング「前後」の工程ですべきことは何か
プロセスマイニングプロジェクト全体の流れは次の7フェーズに分けて考えられる。このうち、(4)が実際のプロセスマイニングの実行作業であり、その前後は準備や後工程として見られる。
- スコーピング(実行範囲設定)
- データ理解
- イベントログデータ作成
- プロセスマイニング実行
- 評価と対応策立案
- 展開(対応策の実行)
- モニタリング
以降で一連の流れを見ていこう。
(1)スコーピング(実行範囲設定)
プロセスマイニングは、漠然とイベントログを抽出して分析しても意味のある結果は得られない。そこで、スコーピングのフェーズで「プロセスマイニング実行計画」のような分析計画を作成する。プロセスマイニング成功には明確な課題意識、目的設定、かっちりとしたプロジェクト計画立案が不可欠だからだ。
計画書には以下のような事項を記載して明確化しておこう。
- 分析の対象とするプロセス
- 上記プロセスを対象とした理由や背景
- プロセスマイニングの主目的
- プロセスマイニングとして採用する手法やツール
- プロジェクト推進体制(チーム編成、スケジュール、予算など)
(2)データ理解
対象とするプロセスが決まったら、まずは当該プロセスの大まかな流れを確認する。同時に、どのようなシステムやアプリケーションが利用されているかも把握しておく。
その上で、当該プロセスを遂行する中で生まれるログデータにはどんなものがあるか、またそのログデータがどこに格納されているかといった情報も把握しておく。
(3)イベントログデータ作成(とデータクリーニング)
対象プロセスに関わるイベントログは複数のアプリケーションそれぞれに格納されることが多い。またデータの中身を調べてみると、データが入っていないもの(欠損値)や、明らかに大きすぎたり小さすぎたりする数値(異常値、外れ値)が存在することもある。こうした問題はビッグデータ分析に付きものであり、プロセスマイニングも例外ではない。
イベントログを分析ツールに投入するためには、個別のイベントログを適切にIDで統合し、欠損値や異常値を何らか処理しなければない。この作業は一般に「データクリーニング」と呼ばれる。単純に「イベントログをガバッと引っこ抜いてツールに投入すれば済む」というわけではない。実のところデータクリーニング作業は、プロセスマイニングプロジェクトの中で最も骨の折れる作業だ。
(4)プロセスマイニング実行(ツール操作)
データクリーニング作業によって、クリーンなイベントログデータが作成できたらツールに投入、いよいよ楽しい分析作業の始まりだ。ここからは第2回で紹介したように多様な軸で分析を行う。
ツールの機能を存分に活用して、業務プロセスに潜むさまざまな課題を発見し、また根本原因の追求に努めてほしい。
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プロセスマイニング入門~マニュアルのない業務の真実を「発見」する技術
生産性向上の切り札、業務標準化。多くの企業が失敗を経験する理由は、業務の真実を発見できないことに帰結する。この課題を解決する手法として注目を集める「プロセスマイニング」について、基礎情報や先行事例、導入のヒントを紹介する。
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