ミツカンの物流を支える発注書AI-OCR 月1万2000枚のFAX受注を高精度読み取り
ミツカングループの物流・受注部門を担うMizkan Logitecは、「発注書AI-OCR(invox)」を導入した。取引先側のシステム環境や運用の都合上デジタル化が難しかったFAX発注書データ化を進めたという。
FAX発注書など、紙のデジタル化は業務効率化において大きな効果を発揮する。しかし、取引先側のシステム環境や運用の都合上、デジタル化が難しい場合も多い。
ミツカングループの物流・受注部門を担うMizkan Logitecもそのような悩みを持っていた。同社は、インフォマートとinvoxが協業で提供する「発注書AI-OCR(invox)」を導入し、取引先ごとに異なるFAXレイアウト1400件超を登録し、入力時間の短縮と処理速度の向上を達成したという。
月1万2000枚のFAX受注、OCRで処理速度向上
Mizkan Logitecは、大阪と名古屋の2拠点に受注センターを置き、全国の取引先から注文を受けている。同社は、物流課題の深刻化や将来の人手不足を見込み、災害時も商品供給を止めない事業継続計画(BCP)および、持続可能なサプライチェーンの整備を急いだ。受発注のDXにより全体の85%はWeb化(EDI化)したが、残る15%のFAX発注書は月約1万2000枚に達していた。取引先ごとにシステム環境や運用が異なり、取引先全体への一斉Web化の依頼が難しい事情もあったという。
FAX分は、担当者が限られた時間内に手入力し、別の担当者が内容を確認する運用が残っていた。担当者の出社が必要な業務体制は、DX推進や災害時の事業継続におけるボトルネックとなっていた。Mizkan Logitecは取引先の負担を増やさず課題を解く手段として、2026年1月に同AI-OCRの導入を決定した。すでに導入していた「BtoBプラットフォーム 受発注」と接続しやすい点に加え、発注書ごとに異なる書式へAIの読み取りルールを指定でき、高精度な処理が可能な点を評価した。
導入後は、2026年4月に提供が始まった「読み取りAIエージェント」を活用した。取引先ごとに異なるFAXレイアウトの登録が速まり、当初目標の約600件を超す1400件超を登録し、実運用へ移した。商品名の候補を読み取り、自社の商品コードへ自動でひも付ける機能により、受注担当者からは入力時間の短縮と処理速度の向上を評価する声が出た。
デジタル化により、手入力や目視確認に依存した作業負荷が減り、受注業務の標準化につながった。また、将来の人手不足への備えに加え、有事にも柔軟に対応できるBCPの基盤になっているという。物流の「2024年問題」「2026年問題」も視野に入れ、サプライチェーン全体の効率改善を図る。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
ニュースピックアップ
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
キーマンズネットに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
C言語は「危険」と言われても、専門家が「使う価値は十分にある」と言うワケ:900th Lap
-
2
M365 Copilot全庁展開で月2000時間削減 現場がAIを「使いたくなる」習慣化の仕組み
-
3
かんぽ生命が営業報告を50分→10分に AI時代に見直すべき「データ入力」の仕組み
-
4
損保ジャパン、2万人の「Gemini活用」どう管理? 推進者が語る「リスク回避」の仕組み
-
5
Claude Codeに「仕事を丸投げ」して事故らないための基本運用ルール
-
6
6TBファイルのサーバ移行、M365ユーザーの八雲町がSharePointでなく「あえてBox」の理由
-
7
「カスハラ対応」を個人に任せない 取手市がAIで変えた窓口業務
-
8
「Claude」3倍高速化の裏で、Anthropic開発者が「あえてしなかったこと」:899th Lap
-
9
社員の「セキュリティ訓練」、他社はどの程度やっている? 気になる隣の実施状況
-
10
3億人分の情報漏えい事件から見えた、金銭では済まない代償とは
キーマンズネット SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
キーマンズネットをフォロー