2007年度では国内出荷金額が前年比10%増の15億4000万円と、堅調な伸びを示しているAPS(生産スケジューラ)。シェア情報を紹介する。
アイ・ティ・アールの調べによれば、2007年度の国内APS(生産スケジューラ)市場は、出荷金額が前年対比10.0%増の15億4000万円と堅調な伸びを示している。
市場占有率(出荷金額ベース)を見ると、2007年度は豊富な実績を持つアスプローバが堅調に売上を伸ばし、17.5%を獲得して1位となった。同社は、2008年度より一部機能を限定したLight版を発売し、これまで導入が進まなかった中小企業への販売を拡大していくとみられる。
また、2位には豊富な機能を差別化ポイントとして12.3%のシェアを獲得したウィザードシステム研究所が、3位は3つのAPS製品をそろえ11.7%を獲得した日立東日本ソリューションズ、以下、フレクシェの11.0%、富士通の6.5%、横河電機の5.2%と続いている。
APSに特化するベンダーはここ数年固定化し、新規参入なども見られないことから、安定的ではあるが市場に大きな伸びが見込めないなどの懸念材料を抱えている。また、現時点のAPSは製品の基本的な仕組みを理解した使いこなしが必要で、導入されたものの使用されなくなるといったケースも出ている。
この意味でAPSにとっての競合は、他のSCM分野の製品ではなくAPSというコンセプトそのものであり、利用を定着化させるためのソリューションやサポート体制、それを可能とする製品開発が差別化の要因となるとみられる。
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