標的型メール攻撃など攻撃手段が巧妙化し、「フォレンジックツール」のニーズが高まる。シェア情報を紹介する。
富士キメラ総研の調べによれば、2011年度のフォレンジックツール市場は前年比7.3%増の23億4000万円になる見込みである。バージョンアップに伴う更新案件や、情報漏えい対策による新規案件の獲得などが貢献した。
日本版SOX法成立当初はIT統制のための導入が期待されたが、それほどの市場拡大効果はなく、現状の導入目的の大半は情報漏えい対策となった。標的型メール攻撃など攻撃手段が巧妙化しており、インシデントが発生した場合の事後対応の重要性が指摘された。そのため、あらゆるネットワークイベントの解析や調査が可能な当該製品に対する需要が高まった。
2011年度の市場占有率(金額ベース)を見ると、1位のベンダーが41.9%を獲得すると見込まれる。10Gイーサネットに対応するなどバージョンアップで大きく性能が向上したことから、既存ユーザーのバージョンアップ需要や他社からのリプレース需要を取り込み、販売実績を伸ばす結果となった。2011年はこうした需要に加え、社会的セキュリティ意識の高まりを背景とした新規顧客の獲得を図る。
今後も市場は堅調に推移するとみられるが、事後対応まで含めたセキュリティ投資を行える企業は一部にとどまっており、急激な市場拡大は難しい。
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