2012年、105億円となったイメージスキャナー市場。モバイルユーザー向けの需要開拓が進んだ。シェア情報を紹介する。
富士キメラ総研の調べによれば、2012年のイメージスキャナーの国内市場規模はフラットベッドスキャナーとシートフィードスキャナーとの合計で105億円だった。形態別では、フラットベッドが14億円、シートフィードが91億円となった。
コンシューマー向けのフラットベッドの需要が、当該製品機能を含むプリンタ製品の普及などを受けて大きく減退し、ビジネス用途で用いられるシートフィードが市場の中心的な製品需要となった。シートフィードについては、61ppm以上の高速機は、金融業、流通業、運輸業などの業種分野で一定の需要を確保して堅調に推移すると見込まれる。
2012年の市場占有率(金額ベース)を見ると、フラットベッドでは、上位2社がそれぞれ50.0%と42.9%で、ほぼ寡占状態だ。また、シートフィードは1位が61.5%、2位が26.4%だった。1位のベンダーは、帳票システムやドキュメント管理などのソリューション展開を強化し、ビジネスユースでの需要の獲得を強化する。
当該市場は需要の一巡に加え、デジタル複合機やインクジェット複合機による当該製品機能の取り込みが進んだことで需要の侵食も激しく、大幅な市場の拡大は期待できない。技術開発トレンドとしては、スキャナー本体にWi-Fi機能を搭載し、スキャンデータをスマートフォンやタブレットにデータ転送するなど、モバイルユーザー向けの需要の開拓が進む。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
製品カタログや技術資料、導入事例など、IT導入の課題解決に役立つ資料を簡単に入手できます。