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やる気ない退職しない、悪影響は50倍与える「ゾンビ社員」の実態と対処法

Perceptyxの調査によると、企業に属する調査対象者のうち約34%が「仕事に不満があり、やる気はなく、退職の予定はない」と回答したという。さらに、ある調査項目においては、やる気のない従業員が、やる気のある従業員に比べて50倍近い悪影響を与える事実も明らかになった。

» 2022年01月11日 07時00分 公開
[Kathryn MoodyHR Dive]
HR Dive

 Perceptyxの調査によると、企業に属する調査対象者のうち約50%が仕事に不満を持っていることが分かった。「燃え尽きて辞めたい」と言う人がいる一方で、34%の人は「不満があり、やる気はないが、退社する予定はない」と回答した。そういった従業員をPerceptyxは「ディスコネクテッド」と呼ぶ。やる気も退職意思もない「ゾンビ社員」の弊害やその“倒し方”とは。

やる気を出さない退職もしない、でも組織に与える悪影響は50倍

 2021年10月にPerceptyxが発表したレポートによると、同社が呼ぶディスコネクテッドがやる気のある従業員に比べて、組織に50倍近い悪影響を与える事実が明らかになった。

 ディスコネクテッドが周囲の求職者に対して勤務先の企業を推薦する可能性は、やる気のある従業員よりも44倍低く、勤務先の製品やサービスを推奨する可能性も低い。また、企業における自身の役割や、部門および会社からの期待を理解していない可能性も50倍高いといった驚きの結果が出た。

 Perceptyxのリサーチおよびインサイトディレクターであるエミリー・キルハム氏は、「雇用主はディスコネクテッドとの関わりを優先する必要がある。あるいは、3分の1を解雇すべきだ。ただ、それは非生産的なだけでなく、他の従業員に対して不公平だ。ディスコネクテッドは孤立させられているわけではないし、孤立する必要もない。彼らは周囲への積極的な傾聴、深い理解、そして自ら行動する意欲が最も必要だ」と述べた。

大量離職時代を乗り切る一手は?

 2021年11月のSociety for Human Resource Managementの調査では、多くの従業員が退職することで、残された従業員は長期的に大きなダメージを受けていることが明らかになった(注1)。調査によると、残された従業員の52%が「より多くの仕事と責任を負った」と答え、30%が「仕事を終えるのに苦労している」と回答した。また、27%が「組織への忠誠心が薄れた」、28%が「組織で孤独や孤立を感じた」、55%が「自分の給与に不満がある」と回答した。

 2021年9月に発表されたLimeadeの調査によると、退職した従業員の4人に1人は企業の柔軟性や配慮の欠如が原因で退職後の仕事が決まっていないという。また、SHRMの調査では、残された従業員は多くの仕事と責任を引き受けるために不満を感じ、結果的には企業への忠誠心が低下したと報告された。雇用主は「the Great Resignation」(大量離職時代)における従業員の要求のバランスを取るのに苦労するのが分かる。

 人事の専門家は、「企業はCOVID-19のパンデミックの世の中で、柔軟性のある働き方の実現にどう取り組んでいるかを再評価する必要がある」とHR Diveにつづっている(注2)。ハイブリッドワークが一般的になりつつあるが、雇用主と従業員の間で意見の相違が続いているのが実情で、シニアマネジャーの71%がコロナ禍後は従業員のオフィスワークを希望している(注3)。

 Perceptyxの調査では、ディスコネクテッドの問題を解決する手段として雇用主による"事業目的の強調"を推奨している(注4)。コロナ禍を通して労働者の"視点の変化"が起こり、より自分の価値観に合った仕事を探すようになったためだ。

 一部の企業では、チームメンバー間およびマネジャー間の1対1での会話の機会を増やし、つながりを強化して仲間意識を持たせている。また、福利厚生を強化して自社の魅力を増している企業もある。

 大量離職時代はすでに到来している。2021年6月のRobert Halfによる調査では、従業員の3人に1人は退社する準備ができているという(注5)。

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