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シャドーIT撲滅の決め手になるか? 企業向けオンラインストレージIT導入完全ガイド(5/5 ページ)

» 2014年07月22日 10時00分 公開
[土肥正弘ドキュメント工房]
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 以上、最新企業向けオンラインストレージの注目ポイントを挙げたが、さらに将来性を見据えてサービスを選ぶ場合の検討ポイントを考えてみよう。

業務システムとの融合、自動化を図るAPI

 コマンドラインツールやAPI(Application Programming Interface)提供が積極的に行われ、新モバイルアプリや業態に沿った店舗間などのデータ共有など、各種業務システムと連携できるシステム開発が自由度高く行える可能性が見えてきた。伝票作成から自動承認、共有フォルダへの自動格納、相手先への伝票自動送信など、業務自動化が低コストに可能になりそうだ。

 一般にAPIを公開していないがパートナーには提供するベンダーもある。例えば、スキャンデータの自動格納、プリンタ出力自動化、名刺管理ソフトのデータ自動保管などのサービスが実現している。ファイルの形をしていないデータの自動格納や利用を可能にするAPIも登場し、自社の将来の新システム開発がオンラインストレージ利用を前提に考えられるようになってきた。

ファイル喪失のリスクを減らすバックアップ機能

 デスクトップフォルダの同期のようにPCやモバイルデバイスのファイルバックアップも手軽で低コストに実現できる。データを保管するデータセンタも安全性、堅牢性に優れる場合が多く、自社内で保管するより安心できる。

 フォルダの自動バックアップ(増分のみ。デスクトップで削除してもオンラインストレージには残る)やNASバックアップ機能を標準で備えるサービス、ファイルの世代管理(版管理)が可能なサービスなどもある。

自動バックアップの条件設定画面の例 図11 自動バックアップの条件設定画面の例(出典:NTT東日本)

コラボレーションを助ける付加的機能

 グループウェアのようなコラボレーション機能を標準で提供するサービスも登場した。契約者内(管理者、利用者間)で共有できるスケジューラ、掲示板、コンテンツの人気投票などのマーケティング支援機能が盛り込まれる。

 また、グループ企業などで同一サービスを契約する場合、インターネットを介さずに業者内のサーバ内で高速なデータ転送を行い、時間短縮が可能な機能も搭載される。付加的な機能も今後は差別化のポイントになりそうだ。

セキュリティ機能にも注目

 セキュリティの観点からは、なりすましアクセスのリスク低減が最も重要だ。これにはユーザー認証、端末認証を強化することが肝心だ。サービスにIPアドレス制限機能、2要素認証機能、端末認証機能、回線認証機能、ログ取得、管理機能が備えられているか否かがチェックポイントになるだろう。

 全てが必要なわけではないが、運用の仕方や利便性を考えて、適切な機能を備えるサービスを選びたい。また、運用管理負荷の軽減のためにはディレクトリサービスとの連携ができると便利だ。

企業向けオンラインストレージサービスリスト

 最後に、5つの企業向けオンラインストレージサービスのリストを参考までに掲げる。リストには一般的な項目の他、上記「選び方」に関連する項目だけを記した。実際には表に表れない管理機能の細かい差が運用管理負荷に大きな影響を及ぼす場合があるので、サービスの詳細な検討が必要だ。

オンラインストレージサービス5社一覧 表1 オンラインストレージサービス5社一覧
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