導入容易性や工程短縮、安定稼働などのメリットを持つ垂直統合型システム。業務システムのプラットフォームとして注目され、SDx系との融合など垂直統合型システムの数年先を予測する。
少し前まで「システム構成に自由度がない」「経営課題解決といった観点でアプローチできていない」といったデメリットも語られた垂直統合型システムだが、景況感が改善する中で、あらためてインテグレーテッドシステムならではの導入容易性、導入工程の短縮、システムの安定稼働、ワンストップサービスといったメリットが見直されつつある。今回は、垂直統合型システムのポテンシャルを加味した上で、数年先を大胆に予測してみたい。
ハードウェアとソフトウェアがあらかじめベンダーによって最適化された形で組み上げられた「垂直統合型システム」。このカテゴリの製品が注目されるきっかけとなったのが、2008年にオラクルが発表したデータベースマシン「Exadata」だ。その後、サーバベンダーを中心に多くの製品が出荷され、市場の中で派手な動きはないものの、現在に至るまで「堅調に推移している」というのが多くのベンダーの所感だ。
そうした中で目立ち始めたのは、IaaS型のプライベートクラウド基盤を構築するための「汎用(はんよう)モデル」にとどまらない、PaaSやSaaSの機能も取り込んだ「目的特化モデル」としての垂直統合型システムの発展である。目的とするシステムを構築する際に必要とされるミドルウェアやアプリケーション、設計や運用ノウハウなどを再利用可能な「パターン(テンプレート)」として展開し、垂直統合型システムに組み込んで提供するというものだ。
現在、この取り組みはベンダー固有のソリューションにとどまらず、ISVや販売代理店などのパートナーが提供している業務アプリケーションパッケージにも枠を広げた、システム統合モデルを共同開発するといった動きにも発展した。
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