マルチプロトコルに対応したユニファイドストレージをコントローするソフトウェアでは、ストレージの抽象化、仮想化が進む。特にファイバーチャネルを利用する際には、ミッションクリティカルな領域が多く、ユニファイドストレージでもいかにシステムを止めることなく障害や機器更新などに対応できるかどうかが求められる。
あるベンダーは「ノンストップオペレーション」という表現を用いるが、ストレージが持つ管理ツールによってストレージ仮想化を実現することでストレージのライフサイクルをうまく管理できるようになる。
もちろんハイバーバイザー側でも行えることではあるが、サーバのCPUやI/Oを使うのではなく、ストレージ側に仮想化処理をオフロードできる環境が増えつつある。小規模であればサーバ側の処理でもよいが、大規模な環境になればなるほど、餅は餅屋での処理が求められる。
従来のCPUコアの技術では、ある特定のデータサービスを各コアに割り当てて処理していたことで、コアによっては十分に使い切れていない部分があった。そこでデータサービスを全てのコアに均等に分散する「マルチコア最適化」技術が登場した。
マルチプロトコル対応のユニファイドストレージだからこそ稼働させるサービスも多く、コアを有効に使うことが何よりも求められる。特にフラッシュを利用する際にはストレージコントローラー側の性能が求められる。マルチコア最適化が実装されたことでフラッシュの性能を十分に発揮できるようになった。
ユニファイドストレージのオペレーションシステムを「AWS(Amazon Web Services)」や「Microsoft Azure」などのパブリッククラウド上に乗せ、オンプレミスからプライベートクラウド、パブリッククラウドまでをシームレスに連携させる仕組みを実装するベンダーもある。
これは、ストレージに対するユニファイドというだけでなく、クラウドに対してもユニファイドというビジョンを打ち出しているものだ。この環境が実現すれば、データはどこにあってもストレージOS上で柔軟に管理でき、マルチプロトコル、マルチクラウド環境でデータの管理を考えることができるようになる。
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