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より安く、より手軽に、「クラウド型遠隔会議」のススメIT導入完全ガイド(2/4 ページ)

» 2015年02月16日 10時00分 公開
[西山 毅レッドオウル]

「クラウド型遠隔会議」の利用メリット

 クラウド型遠隔会議のメリットとしてユーザー企業が第一に挙げる項目は、何といってもコストだが、それ以外にもクラウド型の遠隔会議には多くの利点がある。

 例えば、遠隔会議を実現する1つの手段としてWeb会議システムがある。多くの場合、参加者は利用するPCに専用プラグインをインストールする必要があるが、クラウド型ではネットワーク環境に加えて、Webブラウザさえあればすぐに会議を行うことが可能だ。当然、専用機器類やサーバを保有しなくて済むので、メンテナンスの手間や既存のサーバ環境への負荷も考える必要がない。

 また、サービス側がユーザー企業のセキュリティ環境を維持しつつ、利用開始に必要最適な環境設定を自動で実行する。サービスベンダーにもよるがアップデートも月1回以上など頻繁に実施されるので、機能強化も随時図られてる。

 カメラおよびモニターとして利用できるデバイスも、PCだけでなく、スマートフォンやタブレット端末に対応するサービスがあるので、通常利用しているPCが万一故障した場合でも、タブレット端末を使って会議を継続することが可能だ。

 さらにサービスベンダーの中には、海外も含めた専用ネットワークを構築することで、国際間のインターネット接続の弱さを回避するところもある。つまり、ユーザー企業は、遠隔会議を利用する拠点から最寄りのデータセンターまでの回線品質さえ自社で保証できれば、海外との遠隔会議であっても途中で切れてしまうといった心配をすることなくリスクを低減でき、快適に利用できるということだ。

クラウド型遠隔会議の利用メリット 図1 クラウド型遠隔会議の利用メリット(出典:ブイキューブ)

震災時の従業員、離島の妊婦や受験生、「クラウド型遠隔会議」の活用シーン

 より手軽に遠隔地コミュニケーションを実現できるクラウド型遠隔会議の利用場面は多々ある。まず同じ企業内なら、社内にいるメンバーと外出先もしくは在宅勤務のメンバー間、外出先にいるメンバー同士、あるいは国内拠点、海外拠点間の会議などだ。先にも触れたように現在ではコールセンターにおける顧客サポートやセミナーといった場面での利用も増えている。

 最近では、専門医が不在の離島の病院から伝送された超音波画像診断データを基に、遠隔会議システムを通じて大病院の専門医が離島に住む妊婦の定期健診を行い、妊婦側の経済的、身体的な負担を軽減するとともに、出産時期までのキメ細かな診察を可能にした事例や、遠方に住む通学が難しい学生に対して、大学がクラウド型遠隔会議を利用して、講義やディスカッションを実施するといった活用例もある。

クラウド型遠隔会議のさまざまな活用シーン 図2 クラウド型遠隔会議のさまざまな活用シーン(出典:ブイキューブ)

 今回取材したベンダーの中には、東日本大震災の翌週1週間が出社停止になり、約85%の従業員がオフィスに来ることができなかったものの、自社のクラウド型遠隔会議ソリューションの利用によって、この間一切業務が止まることがなかったというケースもある。こうした事業継続の観点からも、クラウド型遠隔会議は非常に有用なソリューションだといえる。

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