ますます高度化、複雑化するサイバー攻撃に対し、自社だけのセキュリティ対応に限界を感じる。最新の脅威に世界レベルで対抗するマネージドセキュリティサービス(MSS)とは。
2015年6月に明らかになった日本年金機構での大規模な個人情報漏えい事件は、さまざまな企業にとって自社の情報セキュリティ体制をあらためて見つめ直すきっかけとなった。企業の中には、ますます高度化、複雑化するサイバー攻撃に対し、専門スタッフを抱えるのが難しく、自社だけの力によるセキュリティ対応に限界を感じているところも多いはず。現在、注目されるのがセキュリティ機器の運用管理を専門ベンダーに委託するMSS(マネージドセキュリティサービス)だ。今回は、なぜMSSの利用が増えているのかを考察するとともに、一般的なMSSにおけるサービス(機能)の具体的な内容を紹介する。
IT調査会社IDC Japanによると、MSSを含めた国内セキュリティシステム運用管理サービス市場はここ数年、年間5%〜8%のペースで拡大を続けており、この成長は今後も続いていく見込みだ。
日本企業のほとんどは、情報セキュリティ対策をコストとして捉えている。そのためなるべく低コストかつ最小限の人的リソースで自社が求めるセキュリティレベルを実現しようとする傾向にある。このように効率化を追求したとき、養成に時間とコストがかかるセキュリティエンジニアを自前で抱える必要がなく、そうしたエンジニアのプロの目による24時間365日の監視、管理体制を容易に手に入れられるMSSが注目を浴びる当然の流れだといえそうだ。
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