セキュリティ強化塾
脱獄なんかしない、それでも危険なiOSの脅威最新事情(1/4 ページ)
「iPadならウイルスなんて関係ない」。これは大きな間違いだ。iOSのセキュリティの現状について紹介しよう。
「iOS端末ならウイルスもないし、不注意による情報漏えいにだけ気を付けていればいい」と考える人は多い。これは間違いではあるが、実際のところ、その認識でまず問題はなかった。App Storeに並ぶアプリはアップルの審査を経ており、安心感があったからだ。
ところが、その「常識」を捨てるときが来た。悪意をもつ人間はiOSの「閉じた」世界をこじ開けるべく、わずかな隙間から攻撃をぐいぐいと押し込んでくる。App Storeに「ウイルス入り」アプリが大量に出回っていたことも発覚した。今回は、昨今ビジネス界でも導入が広がるiOSのセキュリティの現状について紹介しよう。
脱獄iOSでなくても不正アプリが導入される事態が発生
iPadでちょっとアダルトなWebサイトを探検中。少し気になる動画のPlayボタンをタップすると「playMovieがインストールされます」とのメッセージが表示された。専用プレイヤーかと思って「インストール」をタップすると、今度は「信頼されていないAppデベロッパ」というメッセージと、「デベロッパ◯◯◯を信頼してこのiPadでAppを実行しますか?」という表示が。ここまで来て後戻りできるものか、「信頼」ボタンをタップだ。
このストーリーは、2015年5月に国内で初めて発見されたiOS向けの詐欺アプリがインストールされるまでの実際の流れを基にした。一連の操作により、ユーザーのiPadには攻撃者のサーバから詐欺アプリがダウンロードされ、インストールされる。そのアプリを起動してしまえば、あとはお決まりの架空請求の流れとなる。もっとも、このような架空請求自体は放っておけばよい。
このケースで怖いのは、何も不正な改造を行っていない端末に詐欺アプリがインストールされてしまうことだ。これまでにもiOS端末に感染するウイルスや不正アプリは見つかっていたが、それらは「脱獄(jailbreak)」と呼ばれる不正改造を行った端末だけの問題だった。ところが今回は脱獄を行っていない端末に不正アプリがインストールされてしまったのだ。その仕組みは図1のような流れになっている。
発端は、攻撃者がiDEP(iOS Developer Enterprise Program)と呼ばれる企業内アプリ配布用のライセンスを何らかの方法で入手したことだ。本来、このライセンスは自前のWebサーバに自社製アプリを置き、そこにアクセスできるユーザーだけにアプリをインストールさせるためのもの。これがセキュリティの隙間になってしまった。
このような手口のほかにも、iOS端末を攻撃する手口はいくつかある。つい最近では、Appストアに不正アプリが多数公開される事件が起きたばかりだ。以下では、その事件も含め、これまで発見されている手口を紹介しながら、企業や個人がとるべき対策について考えてみよう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
こんなメディアも見られています
キーマンズネットに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
NTTドコモ、「正しく質問させる」をやめ、“聞き返すAI”で変える顧客対応
-
2
PostgreSQLより1.81倍高速? 開発者がSQLの実行を小型AIに丸投げしてみた結果:898th Lap
-
3
資料作成が月32時間から4時間に トラコムが生成AIで「月28時間削減」した方法
-
4
「Copilot案件」が急増、1年半で13倍に フリーランスに求められるニーズの変化
-
5
小規模チームの勤怠管理をSlackで Assortがfreee連携、打刻や転記の手間を削減
-
6
自治体、企業で進む「Google回帰」 事例で分かる「Gemini Notebook」の活用アイデア
-
7
AIに仕事を任せるほど、セキュリティは困難に? Akamaiが警鐘を鳴らす「AIのふるまい」
-
8
証券口座を狙う不正アクセス、光世証券が「パスキー」に切り替えた理由
-
9
AI同士が取引する時代、「相手は誰か」をどう確認する? GMOが信頼基盤を実証
-
10
「Gemini Notebook」になって何が変わった? NotebookLMからの変更点をおさらい
キーマンズネット SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
キーマンズネットをフォロー