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年間数千万円のコスト削減効果、事例で知るワークフローツールIT導入完全ガイド(1/3 ページ)

ワークフローツールのコストメリット、実際はどれくらいの効果があるのか。高島屋やJ-オイルミルズなど、コスト効果の高い国内企業の事例4つを集めた。

» 2015年11月02日 10時00分 公開
[小池晃臣タマク]

 交通費や経費の精算をはじめ、有給取得のための申請、見積提出のための上長確認など、業務の中で生じるさまざまな申請承認の手続きをサポートするワークフローツール。業務の効率化を目指して導入を検討しているものの、どのような製品をどう使えば最大の効果が得られるのか、具体的なメリットや押さえどころのポイントがいまひとつ見えてこないという企業も多いはず。

 そこで本稿では、ワークフローツールの活用により、コストメリットを生み出すことに成功した国内企業の事例を中心に取り上げながら、ワークフローツールの導入メリットとより効果が高くなる導入法を考えてみたい。

紙ベースの事務処理は時間と手間のムダに

 ワークフローツールを簡単にいうと業務に必要な申請や承認の流れを電子化、自動化するツールだ。そして電子化や自動化することで、従来の紙ベースで行っていた場合と比べて、一連の業務にかかる時間や手間を大幅に減らすことができるのである。

 単なる効率化だけがメリットかと思われるかもしれないが、そんなことはない。効率化によって新たに確保できた時間を他の業務に充てることで、企業全体の生産性向上にもつながるのである。

 ワークフローツールの導入効果が特に大きいのが、経理、財務、人事、総務、労務などの管理部門だ。例えば人事部門で勤怠管理を行う際に、紙ベースの業務だと、どの社員がタイムカードや残業申請書を提出していないか、また提出されてはいても上司の承認を経ていないものはないかなど、書類を集めて確認するだけでも膨大な手間と時間がかかってしまう。

 ワークフローツールを導入することで、これらの作業の自動化が可能になるのである。最近では、申請経路の途中もしくは最後に、新たな経路を追加できる機能を備えることで、案件に応じた現場の判断に柔軟に対応できる製品もある(図1)。

 もちろん、書類を提出、申請する側にある従業員にとっても、手書きでコツコツと書類に記入して上司の机まで赴いてハンコをもらうといった手間が省けるのは、地味ではあるがかなりうれしい、というのは容易に想像できるだろう。

申請フローの途中で新たな申請経路も追加することができる 図1 申請フローの途中で新たな申請経路も追加することができる(出典:シヤチハタ)
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