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» 2015年11月04日 10時00分 公開

空中に浮かぶボタンをポチリ、「空中超音波触覚インタフェース」とは?5分で分かる最新キーワード解説(3/4 ページ)

[土肥正弘,ドキュメント工房]

空中超音波触感インタフェースの仕組みは?

 こうした触感を生み出しているのは、冒頭で述べたように超音波振動子だ。これを250個格子状に並べたものを1ユニットとし、個々の超音波振動子の発生する音波の位相を個別に制御する。空間の任意の1点に超音波が焦点を結ぶように制御すると、そこに音響放射圧と呼ばれる力が生じる。

 その位置を人間の体で遮ると、皮膚が押されて触感が生まれる。その力は1ユニットにつき1平方センチ当たり1.6グラム重になる。これはタッチ感を得るには十分な値だ。また、複数のユニットを使うと10グラム重くらいまでの圧力となる。この音響放射圧の位置を、映像とシンクロするように移動制御すれば、触覚プロジェクタが出来上がるわけだ。

 超音波の振動波形を変化させることで、触感もさまざまに制御できる。「軽いものが衝突する」「虫がぬるぬる這う」「花火がはぜる」ような感覚なども生み出せるそうだ。

 空中触覚タッチパネルの場合は、立体映像を作る光学的な仕組みも必要だ。これには市販の空中映像投影技術が採用されるが、超音波と空中映像の伝搬軸を重ね合わせるために結像素子の表面で超音波を反射させるようにし、また映像に指が触れた位置とタイミングをセンシングして、それに応じて音響放射圧がかかる位置を制御する。

 視触覚クローンの場合は、クローン映像を作るために特殊なマイクロミラーアレイを使って光を双方向にコピーする技術が使われるが、これも市販デバイスを利用した。力の場のコピーには1992個の超音波振動子を使い、上下左右から立体的な力を発生させている。なお対象物体の形状は赤外線を用いたデプスセンサーによって計測する。

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