キーマンズネット会員1083人を対象に企業のIT投資状況を調査した。ユーザー部門が独自に持つIT予算はどのくらいか。
キーマンズネットは2015年11月19日〜30日にわたり、「企業におけるIT投資状況」に関するアンケートを実施した。全回答者数1083人のうち、情報システム部門(導入・検討や運用に関わる立場)の担当者は約43%、一般部門で導入・検討に関わる立場の担当者が約15%、一般部門のユーザーが約42%という内訳となった。
ユーザー部門編では、ユーザー部門独自のIT予算に注目しよう。例えば、パブリッククラウドサービスは、安価な月額料金でユーザー部門が直接利用できるものとしても注目度が高く、サービスベンダー各社がそのメリットを打ち出しており、実際にユーザー部門でも導入が始まっている。
なお、グラフ内で使用している合計値と合計欄の値が丸め誤差により一致しない場合があるので、事前にご了承いただきたい。
ユーザー部門独自のIT予算の有無について尋ねたところ、27.9%の企業で「存在する」という回答を得た(図1-1)。この割合は、2015年度の同調査からほとんど変化していない。
組織の規模別の数字を見てみると、やはり1001人以上の大企業でユーザー部門独自の予算を持つ割合が増え、40.1%という数字となった。一方で、100人以下の中小企業では「存在しない」が62.7%に上る。規模の大きい組織ではIT部門による統制を効かせた上で、細かなIT機器の購入に関してはユーザー部門で独自に判断できる予算を持つケースが多いようだ。
業種別で見てみると、「流通・サービス業」では他業種に比べて「存在しない」(62.7%)という回答が多かった。多くのスタッフが社外や小売店舗などで働き、人員の入れ替え自体も多いため、IT部門が全体を統制しているものと想像できる。
ユーザー部門独自のIT予算を持つ理由については、「現場のIT化ニーズやシステム化要件に対応するため」(64.2%)という回答が突出して多かった(図1-2)。IT部門の人材・スキル・知識の不足という回答は比較的小さく、現場のニーズへ柔軟かつ迅速に応えるためにユーザー部門が主導するケースが多いことが分かる。
将来的なユーザー部門独自のIT予算については、「増加すると思う」が13.8%、「減少すると思う」が14.7%で、「変わらないと思う」が71.5%で最も多かった。規模別で内訳を見てみると、1001人以上の企業で「減少すると思う」(19.8%)あるいは「増加すると思う」(17.4%)が、中堅中小企業と比べ大きめの数字を示し、差が出る結果となった。一方、業種別では大きな数字の違いはなく、トレンドは見られなかった。
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