次に、現在利用中のスマートデバイスが原因で何かしらのトラブルが発生したことはあるかどうか聞いたところ、「トラブルの経験がある」との回答は20.4%であった。
フリーコメントのその内容は、紛失やバッテリー切れといった物理的なトラブルが最も多かったものの、それ以外では「OSのアップデートを制御していないため、社内システムが対応する前に従業員が勝手にアップデートしてしまうと、一時的に社内システムを利用できないユーザーが出てしまう」「通常のPCと同じ設定ができなかったり、持ち出している間にアップデートしたために社内使用時に不具合が出たりした」「アプリのバージョンアップとOSとの整合性が取れず、動作不良となった」といった、アップデートのタイミングに起因するOSとアプリケーション(社内システム)との不整合に悩まされているケースが多いようである。
最後に、現在使用中のスマートデバイスで利用・実施しているセキュリティ対策を聞いた。全体では、「パスワードやパスコードによるロック機能」が88.1%、「ウイルススキャン機能」が44.2%、「リモートアクセス機能」と「デバイス制御機能(一部通信機能の使用禁止設定など)」がともに40.6%、「端末利用状況の監視機能」が32.0%であった(図3)。
今回の結果を2013年8月の調査結果と比べてみると、「パスワードやパスコードによるロック機能」が9.3ポイント増、「ウイルススキャン機能」が3.5ポイント減、「リモートアクセス機能」が3.4ポイント減、「デバイス制御機能」が10.3ポイント増、「端末利用状況の監視機能」が1.0ポイント減となっており、「パスワードやパスコードによるロック機能」と「デバイス制御機能」の2つの機能の利用が大きく伸びていることが分かった。「紛失」に起因するセキュリティリスク対策に有効な機能を採用する企業が増加しているといえよう。
前編では、「モバイル活用と管理状況」について「スマートデバイスの導入状況」「スマートフォン/タブレットの導入理由、導入規模」「トラブルの有無、内容」「セキュリティ対策」などをレポートした。後編では、スマートデバイス管理ツールの「MDM・MCM・MAM・EMM」の認知度および導入状況などについてレポートする。
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