次に、「Excelを他のツールに置き換えていない理由」を聞いてみた。全体では半数以上が「現状で満足している(51.1%)」と回答しており、以下、「費用対効果が測れない(26.8%)」「現場の運用を変えることに手間がかかる、現場からの反対が多い(20.9%)」「何に置き換えていいか分からない(20.6%)」「Excel化されたデータの整理ができない(19.1%)」という順となった。
現状に不満があっても移行しない(できない)のは、コスト面や移行先の検討、現場ユーザーへの定着など、移行を終えるまでの道のりが長いことが、「脱Excel」を足止めする原因のようだ。
この詳細を先ほどと同様にフリーコメントから探ると、「他に選択肢がない」といった声が散見される中、「会社全体での利用方針に従っているため」「グループ企業内で統一仕様になっているため他を選べない」「他社に提出する資料としてExcelでの提出が義務付けられている」といった社内外の事情を挙げる声が大多数を占めた。
加えて、「過去の資産であるデータの移行が非現実的」「移行の前後で互換性を保つのが難しい」といった移行に関する懸念の声も挙がった。また、「大きいデータを扱う場合はAccessを使うなどしている」というように、データによってAccessを選択している声もあれば、「Accessへの置き換えを検討したことがあるが、自分以外に管理できる人間がいない。自分が異動になった時に利用を継続できなくなる」といった問題を懸念する声も挙がった。
今回は約2割のユーザーがExcelに不満を抱いており、その多くがマクロと印刷機能に対するもだということが分かった。また、ユーザーの約4分の1が、何らかの理由でExcelから他のツールへ移行したことがある一方で、社内外の事情によって移行できないユーザーも多いことなどが明らかになった。
「脱Excel」を進める企業が見られる一方で、「最適な移行ツールがない」「クライアントや社内の規定、昔ながらの習慣(ユーザーが慣れていること)」といった事情で抜け出せない企業も見られるExcel。できることが多いからこそ問題も多岐にわたっているこのツールを、生かすところは生かす、問題が多発する箇所は別のツールに代替するなどして、適宜最適なツールを選べるような環境を目指し、業務効率化につなげてほしい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
製品カタログや技術資料、導入事例など、IT導入の課題解決に役立つ資料を簡単に入手できます。