キーマンズネット会員444人を対象にアンケート調査を実施した。Excel利用に課題を感じていた企業はどのような解決策を模索したのか。
キーマンズネットでは、2016年6月22〜29日にかけて「Excelの利用状況」に関するアンケートを実施した(有効回答数444件)。回答者の顔ぶれは「一般部門で主にユーザーとして利用する立場」が50.9%、「情報システム部門で主に導入・検討や運用に関わる立場」が25.5%、「一般部門で製品選定を検討し、かつユーザーとして利用する立場」が11.9%「顧客に販売するベンダー・SIerとしての立場」が11.7%となった。企業規模別では、1001人以上の大企業が39.2%、101〜1000人以下の中堅企業が37.4%、100人以下の中小企業が23.4%という構成比だった。
前編では主に「Excelの導入・活用状況」や、「導入済みおよび予定のバージョン」「課題の有無」をレポートした。「Office 365(Excel Online)」が今後導入するExcelのバージョンとして支持を集めきれていないこと、4割の企業がExcelに課題を抱えていること、その課題は「バージョン間の互換性」「大量データの扱い」「共同編集時の不具合」がトップ3であることなどが明らかになった。
後編では、Excelに課題感を抱えている企業が「Excelから業務を置き換えたツール」や、「他のツールに置き換えていない(置き換えない)理由」などを明らかにする。なお、グラフ内で使用している合計値と合計欄の値が丸め誤差により一致しない場合があることをあらかじめご了承いただきたい。
前編でほとんどの企業(98.9%)で導入されていることが明らかとなったExcelだが、満足度はどの程度だろうか。「導入済みのExcelに満足しているかどうか」を聞いたところ、全体では「とても満足している」と「まあ満足している」を合わせた「満足」が80.2%、「やや不満がある」と「とても不満がある」を合わせた「不満」が19.9%という結果になっている。
企業規模別に見ると、中小企業は「不満」が10.6%であるのに対し、中堅企業では23.2%、大企業では22.2%と約10ポイントの差が開く結果となった。
Excelユーザーが具体的にどこに課題・不満を感じているのかについては、前編で紹介した通り「バージョンが異なると同じデータの編集がしづらい(互換モードなど)(44.3%)」「データ量が大きすぎる際、処理速度が遅い(41.6%)」といった回答が上位を占めた。
アンケートではさらに「Excelに関する課題や悩み、またはツールに対する要望」について自由記述で詳細を聞いた。まず、マクロに関する要望が多かった。例えば「バージョンが変わる度にマクロが影響を受ける」「バージョンアップ時に旧バージョンのマクロの再利用が簡単にできるようにしてほしい」「マクロによるプログラミングがもっと簡単になってほしい」「マクロのデバッグがしにくい」といった声だ。
次に目立ったのは「印刷」に関する不満である。例えば「印刷イメージと画面イメージが異なる。印刷プレビューは過去のバージョンの方が見やすかった」「見た目通りに印刷されない」「印刷時、けい線が出なかったりオブジェクトがずれたりすることがある」「印刷プレビューの画面が拡大できず、ディテールをチェックできない」などだ。
それ以外では、少数ではあるが「セキュリティパッチの適用管理に終わりがない」といった声も挙がった。また、「バージョンアップの費用が高い」との声も散見された。古くから利用されているExcelだからこそ、何度もバージョンアップの機会を迎えており、コストに対する不満が絶えないのではないだろうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
製品カタログや技術資料、導入事例など、IT導入の課題解決に役立つ資料を簡単に入手できます。