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現代版UCが続々登場、これまでのUCとは何が違うのか?IT導入完全ガイド(3/4 ページ)

» 2017年01月23日 10時00分 公開
[吉村哲樹オフィスティーワイ]

無償の個人向けツールはUCに使えるか?

 なお前出のCisco Sparkは、一通りの基本機能が無償で提供されており、ある程度以上の規模や高度な機能が必要になったら、一定の月額料金を支払い有償のオプション機能を利用するという形をとっている。このように、商用ベンダーが提供する企業向け製品・サービスであっても、一定範囲までなら無償で利用できるケースもある。しかし中には、初めから無償の個人向けツールだけでUC環境を構築しようと考える企業もあるかもしれない。

 事実、仕事の連絡手段としてLINEが利用され、最近ではITエンジニアを中心にチャットツール「Slack」が急速に普及するなど、一部では無償ツールを業務で有効活用しているケースも見られる。特にSlackはAPIを通じて機能を独自に拡張できる点がエンジニアに高く評価され、企業の技術部門での利用が急速に広がっている。

 ただし企業向けツールと比べた場合、「セキュリティ対策に不安があるのではないか?」との懸念を抱くユーザーも少なくない。正式に個人向けツールの業務利用を検討する際には、その利用規約をきちんと確認し、あらかじめサービスレベルやセキュリティ対策について精査しておくべきだろう。

 また、特定の部門内に閉じた運用ではなく、全社レベルで導入するとなると、高いITリテラシーを持つユーザーだけでなく、比較的ITリテラシーが低いユーザーや年配のユーザーでも違和感なく使いこなせるユーザーインタフェースを備えたツールを選ぶ方が望ましいだろう。中にはユーザーインタフェースが英語のままで日本語化されていなかったり、ある日突然前触れもなくインタフェースの仕様が変わったりすることもあるため、注意が必要だ。

 ユーザー管理機能の有無も、無償ツール採用を検討する際に確認しておくべきポイントの1つだ。一般的なコンシューマー向けツールは個人利用を前提としているため、複数ユーザーを一括管理する機能は提供されていない。企業利用においては、複数のユーザーやグループを集中管理できる機能がないと、管理者の負担が大幅に増えてしまったり、管理の手が行き届かなくなってしまう。そうした懸念がある場合は、管理機能が充実した有償ツールを選ぶ方が無難だろう。

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