Slackをはじめとしたチャットツールがビジネスでも利用されるようになってきた。10年前に注目を浴びたUCも新しい機能を付加し現代版UCとして進化、無償で提供されるものもある。UCを選ぶポイントはどこにあるのか?
本稿では「無償版か有償版のどちらがよいか?」といった疑問をはじめ、UCを選ぶ際に考慮すべき6つのポイントを紹介する。
ビジネスにおけるコミュニケーション手段の主役が、電話からメールへと移り変わって既に久しい。そして近年ではこれらに加え、チャットやビデオ通話などが若いビジネスパースンを中心に急速に普及しつつある。このように多様化が進むビジネスコミュニケーションの基盤を、企業内で各部署が別々に運用していては、管理性やガバナンス、コストの面で極めて効率が悪い。そこで、これらを単一のシステムに統合し、さまざまなコミュニケーション手段を互いにシームレスに連係させることで新たなワークスタイルの実現を目指すソリューションが、幾つかのベンダーから提供されるようになった。
ビジネスの現場では、いまだ会社の許可を得ないままコンシューマー向けの「LINE」を使って社内外と連絡を取り合うビジネスパースンが多いが、業務効率アップに寄与する半面、誤送信などによる情報漏えい事故も相次いでいる。こうしたリスクを回避するためにも、先に挙げたようなビジネス向けコミュニケーションツールの採用を検討する必要があるだろう。
自社の要件や事情に合致するものを慎重に選びたい。ここでは、UCを選ぶ際に検討すべきポイントを6つ紹介していく。
かつてのUCは、企業のオンプレミス環境にIP-PBXとUCサーバを導入する形をとっていたため、少なからず手間とコストがかかっていた。しかし現在では、自社で機器やサーバ、ソフトウェアを新たに導入せずとも、クラウドサービスとしてほぼ同等の機能を利用できるようになってきている。言うまでもなく、クラウドを使った方が初期導入コストは安く済み、またサービス利用開始までの期間も大幅に短縮できる。そのため初期費用に大きな予算を用意できない企業や、素早く仕組みを立ち上げたい企業にとっては、クラウドサービスの利用はメリットが大きいだろう。
一方、セキュリティ上の必要性から社内ネットワークをインターネットから分離している企業や組織では、当然クラウドサービスは利用できないため、自ずとオンプレミスでシステムを導入する必要がある。
コスト面でも、必ずしも全ての場合でクラウドサービスの方が安く済むとは限らない。例えば多くのユーザーを抱える大企業で一定期間以上システムを利用し続ける場合、オンプレミスよりクラウドの方が、費用が高くなるケースもある。従ってクラウドサービスの利用を検討する場合は、あらかじめコストシミュレーションを慎重に行っておくことをお勧めしたい。
ビジネスシーンにおける電話の重要性は、かつてと比べ相対的に低くなったとはいえ、依然として重要な地位を占めている。重要な商談についての話し合いや、緊急性の高い連絡などは「やはり電話でないと」という方も多いだろう。そのようなニーズが高い場合、選定候補のUCソリューションが音声通話の品質をどの程度担保しているのか、あらかじめきちんと確認しておくことが重要だ。
特にIP電話の導入を検討する際には、注意が必要だ。インターネットのIP電話は確かに音声通話のコストを大幅に削減する効果があるが、同時に通話品質もある程度犠牲になってしまうことが多い。これが自社のビジネス要件と照らし合わせて許容できる範囲かどうか、事前にきちんと評価した上で判断することをお勧めしたい。
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