一般的なプロジェクターは、本体とスクリーンの間に一定のスペース(おおよそ2メートル以上)が必要だ。そのため、プレゼンテーションなどで講演者が本体とスクリーンの間に入り込んでしまい、影が映ってしまう経験をした人も多いだろう。このような場合、「超短焦点モデル」と呼ばれるジャンルのビジネスプロジェクターを選定に入れたい。
その多くはスクリーン上部の天井に据え付けて使うもので、レンズとスクリーンとの間が約15センチ程度あれば、60〜80インチの広さで投映できる。学校などの文教領域での導入が主となるジャンルではあるが、オフィスでも活用の幅は広い。また、学校では黒板に投映することが多いことを踏まえ、湾曲した黒板であっても適切な画面を表示できる機能や、緑色の黒板に直接投映しても色調を正しく補正する機能を備えたモデルがある。
エプソン「EB-1460UT」
カシオ計算機「XJ-UT351WN」
超短焦点モデルには、「インタラクティブ機能」を備えるものが多い。主に投映した画面に、専用の電子ペンを使って疑似的に書き込みできるものだ。また、書き込んだ文字を投映資料と組み合わせてプリントアウトしたり、データ化して共有したりもできる。
モデルによっては、インターネットごしに出力内容を共有する機能を持つものやビデオ会議システムと組み合わせて資料とビデオ会議画面の同時投映ができるものもある。これいにより、遠距離拠点間で疑似的に合同会議を行うといった新しい働き方が実現できる。
また、机に備え付けることで天板をスクリーンとして設計図や工程表などを投映(テーブル投射)するといった使い方もできる。その様子は、あたかも模造紙を広げた机の周りに集まって、ペンで変更点などを書き加えながら会議するようなものだ。
このようにビジネスプロジェクターは、単なる投映デバイスから「顔が見えるコミュニケーション」のためのツールとして進化している。
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